北半球は見ているだけでなく、コロナウイルスに南半球を荒廃させてはいけない

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COVID-19が富裕国と貧困国の間のギャップを大幅に拡大する危険があります。 この危機を乗り越え、3000万人以上の生命を救うための大胆な計画を策定する時がきたと、ポーシャ·アントニア·アレクシスはByline Timesに書いています。


世界保健機関からのガイダンスを除いて、COVID-19に対する国際的な対応は殆どありません。 各国は独自の封鎖および医療政策を策定し、国民の「一体感」と愛国心を呼びかけ、健康やその他の重要なサービスにおいて、あるいは単に家にいることによって、国民に彼らの役割を果たすよう呼びかけています。

このパンデミックが、豊かな国でさえも財政と健康の不平等を増大させていることは明らかですが、国際レベルで見た場合、結果は非常に深刻になる可能性があります。

The MRC Centre for Global Infectious Disease Analysis (世界的感染症分析のためのMRCセンター)は、2020年に貧困層および中所得国で4,000万人がCOVID-19で死亡する可能性があると予測しています。前大統領として、リベリアでエボラ出血熱を打倒したエレン·ジョンソン·サーリーフ氏は、次のように述べています。「コロナウイルスは、 世界のどこであろうと、人々にとって脅威です。」

COVID-19は、どの大陸、国、地域も逃すことはありません。 このウイルスは無国籍であり、物質的に最も困難な条件下で生活する人々の間で広がる大きな可能性があります。 このパンデミックは、ウイルスに感染しても、生き残っても、その劇的な経済的影響になんとか対処できても、人々の間に存在する経済的不平等を悪化させています。そして、北半球の豊かな国と南半球の貧しい国との間のギャップを大幅に拡大するという差し迫った危険があります。

南北の健康格差

現在、かなりのリソースをもつ豊かな国々がコロナウイルスの震源地であり、3月26日にG20のリーダーはCOVID-19と戦うために「必要なすべての措置を講じ」、5兆ドルを投入すると発表しました。それは、およそ日本のGDPに相当します。

最も効率的な医療システムを備えたこれらの国々でも、彼らの医療システムが圧倒されないようにするために多大な努力をしなければなりませんでした。 介護施設は、手遅れになるまで無視されることが多く、その死者数は受け入れ難いものです。 しかし、これらの国では、平均して250人に対して医師が1人います。

これは、より不利な状況にある保健システムがリスクにさらされるサウスの国とは大きく異なります。 ザンビアのような国では、10,000人に1人の医師がいるのみです。 マリでは、100万人あたり3つの人工呼吸器しかありません。 最も裕福な人々が世界中で迅速に検査され治療される一方で、何十億もの人々はそうではありません。 医療制度の弱い貧しい国々は借金で溺れており、エリートのための高価な病院を建設するためにしばしばこの借金を増やしています。 予防接種プログラム、妊産婦ケア、地域医療で強力な医療システムを構築することは後回しです。

世界経済フォーラムが認識したように、コロナウイルスは私たち全員を脅かし、私たちの世界を分割する巨大な亀裂を露わにします。

増大する経済的不平等

国際労働機関(ILO)によると、多くの国で1980年代以降、所得格差が大幅に拡大し、社会的、経済的に悪影響をおよぼしています。

今日、COVID-19のパンデミックはこれらの不平等を無残に浮き彫りにしています。 ウイルスの経済的影響を最も受けているのは、移民労働者と、単発の仕事をしている非公式経済の労働者です(その数は20億人で、世界の労働力の61.2%)。 公衆衛生部門の女性たちも特に危険にさらされています。 ILOは、グローバル·サウスの労働者の大半が非公式経済で生活しているため、世界中で2500万人以上の雇用が失われる可能性があると推定しています。

健康と貧困は絡み合っています。 ILO報告書はまた、高レベルの貧困、非公式経済、保証のない雇用により、コロナウイルスを制御することがさらに困難になることを浮き彫りにしています。

グローバル·サウスの殆どの人々はインフォーマルセクターで働いているため、彼らは健康保険の対象とならず、多くの場合、医療サービスを利用することさえできません。 たとえ彼らが病気から回復したとしても、代替となる収入の欠如は彼らがより貧窮化することを意味します。 ILOは、毎年約1億人が驚異的な医療費のために貧困に陥ると推定しています。

国際協力と援助

南半球での潜在的な人的および経済的コストは破壊的です。 COVID-19危機は、貧困との闘いにおける長年の進歩を一掃する恐れがあります。 南半球のあらゆるところに広がり、この病気は脆弱な医療システムを崩壊させ、特にアフリカで政府開発援助にしばしば依存する社会保護システムの欠陥を明らかにする可能性があります。

この危機を乗り越えるための大胆な計画を策定する時がきました。

各政府、機関、人はそれぞれの役割を果たさなければなりません。そして最も高価な貢献をせねばならないのは、私たちのなかで最も裕福で最も力をもつ人々です。なぜならコロナウイルスとの世界的な戦いで私たち全員が一緒に果たす役割があるからです。

先月会合した世界で最も裕福なG20政府のリーダーたちは、「必要なことはなんでもする」ことを約束しました。 今、私たちはもっと具体的な行動が必要です。 うまくいけば、G20諸国が封鎖から脱出し、危機のピークが過ぎると同時に、彼らは自国の国民や経済だけでなく、世界の残りの部分に集中し始めることができます。 経済を再開したいのであれば、彼らはまた、食料、原材料、そして費用対効果の高い製造をグローバル·サウスに依存する世界貿易を再構築する必要があります。

最貧国に資金を提供することに同意することに加えて、ワクチンと治療が準備ができたときに、すべての人がすぐに無料で利用できるようにするための世界的合意が必要です。 大手製薬会社や他の企業がこの危機を利用して利益を上げることを許してはなりません。 オックスファムは、世界の人口の37億人を占める最貧国85か国の医療費への資金の2倍にあたる1600億ドルの追加を要求しました。

MRC Center for Global Infectious Disease Analysis(世界的感染症分析のためのMRCセンター)によると、世界の他の地域が迅速かつ効果的に対応すれば、最大3000万人にも達する驚異的な数の人々の生命を救うことがでます。

グローバル·ノースが内に向くのをやめ、残りの世界に従事しない限り、サウスの多くにとって後退経済と蔓延する貧困は決定的なものとされ、それは、よくても、コロナウイルスの後に必要な世界経済の再起動を阻害し、最悪の場合、武力紛争の増加と非民主的体制の復活につながるでしょう。

Original source: Byline Times

Image credit: Lucas Silva, dpa international

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