ガザ：パレスチナ人100万人近くが避難所のない冬を迎える

ノルウェー難民評議会（NRC）が主導するパレスチナのShelter Clusterによると、ガザ地区の避難所の需要は今秋までにわずか23％しか満たされておらず、厳しい冬の間、100万人近くのパレスチナ人が危険にさらされています。

Shelter Clusterは9月、ガザ地区の避難民113万人に基本的な冬の保護を提供するには、トラック2000台分のテント、またはトラック200台分の密閉キットが緊急に必要だと推定しました。

11月下旬までに、避難民のうち28万5000人しか必須のシェルター資材を受け取っていません。10月初旬以降、イスラエルの北ガザ地区への攻撃と包囲により、さらに10万人のパレスチナ人が避難を余儀なくされ、合計94万5000人が現在、シェルター支援を必要としています。

飢餓の拡大に対処するために不可欠な小麦粉が、援助車列にとって最も安全なルートであるフェンスロード沿いのゲート96を経由した輸送に優先されているため、ガザ地区へのシェルター資材の搬入は減少しています。Shelter Clusterは、ドナー政府に対し、耐候性資材の搬入を許可し、人道支援従事者がガザ地区全域の脆弱なパレスチナ人に安全にアクセスできるようイスラエルに圧力をかけるよう求めています。

「私たちは、避難所危機に対処するために必要な援助のほんの一部しか受け取っていない」と、パレスチナのShelter Cluster議長ジェルーン・クアンジェル氏は語りました。「何十万もの避難民家族が、有効な保護もなく、冬の寒さと雨に耐えている。イスラエル当局が繰り返し避難所に必要な資材の提供を拒否しているため、私たちは、ガザの冬の条件に耐えられる緊急避難所を建設するための対応を拡大することができない」

11月下旬の冬の嵐で避難所が浸水し、テントや仮設住宅が破壊され、多くの家族が移動を余儀なくされました。ワディ・ガザ南部の少なくとも101か所の避難所には45万720人のパレスチナ人が住んでおり、洪水の危険があります。

「テントが水浸しになって目が覚めました」と、ガザ中心部のデイル・アル・バラ市に住むパレスチナ避難民のマフムードさんは言います。「子どもたちが寝ているときに水が入って来ました。マットレスも衣服もだめになり、今は何も残っていません。ただ水が溜まっているだけです。残ったものを何とかしようとしていますが、見捨てられたような気分です。アラブ世界も政策決定者も、誰も気にかけていないようです。私たちは取り残されているのです」

度重なる避難により、家族は避難に必要な資材を残して逃げざるを得なくなり、持ち運べるものだけを持って逃げることが多々あります。過去1年間に援助機関が提供したテントや物資の多くは、今では傷みすぎて使用できない状態になっています。ガザ地区に入る避難所資材がここ数カ月で大幅に減少したため、代替物資は不足しています。

9月1日から11月25日までの間に、避難所支援を積んだトラックはわずか123台で、週平均10台にすぎません。これらのトラックの多くには、マットレスや寝具など、冬支度に直接関係のない品物が含まれていました。防水シート、ビニールシート、ロープ、ダクトテープを含むテントや密閉キットの供給は限られており、圧倒的な需要を満たすには不十分でした。

Shelter Clusterは、ガザ地区の避難所危機に対処するために早急な行動を求め、重要な物資の配達がさらに遅れると、何十万人ものパレスチナ人がこの冬、命を脅かす状況にさらされることになるだろうと警告しています。

編集者への注記：