世界を分かち合うための霊的義務

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21世紀における人類にとっての主要な霊的レッスンは、富、技術、技能、そして知識のより公平な分かち合いが公正で平和な世界秩序の根本的基盤であるというこの明らかな真実を、国際関係の構造の中で実現することがこれまでどのように困難であったにしても、これ以上シンプルで緊急なものはあり得ないということです。


アダム・パーソンズ

2015年5月12日

ほとんどの霊的、宗教的伝統における共通の主題は人類はひとつのいのち(ワン・ライフ)または意識の本質的部分であり、人間の生気(スピリット)または魂はその性質において本質的に神聖であるという事実です。この永永無窮の知恵は全てのいのちの相互関連性 ー それは物理的および生命科学の最新の進歩において次第に発見されている真実ですが ー について話す多くの先住民の文化の信仰や世界観同様、昔から偉大なイニシエイトの教えに表現されています。多くのニューエイジ・グループと密教哲学者は、私たちが本来備えるこの平等と一体性の総体的な認識を心棒していますが、私たちが今日住む世界にとってこれらの高まる霊的洞察の主要な政治的意味合いはなんでしょうか。

明らかに、私たちの支配的な社会経済構造が世界全体の人間の内部の相互関連性と平等さを反映していることはあり得ません。新聞のコラムは世界人口の1%の最上層が現在、56%の最下層(35億人)と同じだけの富を所有する、現代社会を特徴付ける極端な不平等さを定期的に取り上げています。ミレニアム開発目標(MDGs)へのプログレスについての統計が際限なく引用される一方、約4万人が日々貧困の中、大部分は予防可能な原因から ー 主に、十分な食糧、きれいな水、適切な住居、そして医療へのアクセスの欠如のために今だ死んでいっているのです。万人の基本的ニーズを満たすために使用可能な十二分の富と資源をもつ豊かな世界でのこの分裂した現実は、正しい人間関係や私たちの生来の霊的結束についての不老の教えをあざけりの的に仕立てます。

そのような展望から、私たちの文明の合流する危機の全ては性質的に実際は霊的なものであり、すなわち、まず第一に人類は同じ基本的懸念と権利を分かち合う大家族の一部であるのだということを受け入れることにより、私たちのグローバルな相互依存を理解することをそれぞれの国家に余儀なくさせています。国際旅行、貿易、そして電気通信は、私たちは国際社会の一部ではあるものの、全体としての人類の必要性を促進、保護することに現形態の経済的グロバリゼーションは失敗しているのだという拡大する理解へ導いてきました。惑星的統合、一体性、そして団結への霊的衝動を体現することからかけ離れ、富裕国と貧困国の間の経済関係は国家の私利、激しい競争、そして物質的獲得の対立する目的に立脚し続けます。

何世紀にも及ぶ植民地主義と権力者による弱者層からの収奪後、富と資源は、不法な資金の流れ、海外利益の本国送金、法人税乱用、不当な債務の返済、そして他の手段によって途上国から吸い取られ続けています。グローバル・ノースとサウス ー そして各国のさまざまなレベルの富裕者と貧困者 ー の間の生活水準と人生のさまざまな機会における結果的不均衡は、世界の緊張の中心に位置する危機です。完全に不適切な外国援助のシステムと慈善活動がグローバル経済の組織的不正を覆い隠す一方で、豊かな国々の贅沢な生活様式は、世界の大部分における貧困によって効果的に資金を供給されています。この現実は霊的法則や神聖原理は勿論のこと、基本的道徳的価値観から過度にかけ離れたものであり、この先の何年もの高まる混乱と破局を避けるために根本的変革が現在必要とされています。

21世紀における人類への主要な霊的レッスンは、この点についてこれ以上シンプルで緊急を要するものはあり得ません。それは、国際関係の構造の中でこの明らかな真実を実現することが過去どのように困難だったとしてもです。天然資源と世界の生産品はある一定の国の所有物ではなく、万人の利益のために不可欠な資源の賢い貯留と再分配に具体化されるように、万人によって分かち合われねばならないことを各政府は認識せねばなりません。特に富裕国は剥奪の大洋の中の繁栄の孤島として居残ることができないこと、そして富、技術、技能、知識のより公平な分かち合いが公正で平和な世界秩序の根本的基礎であることを理解せねばなりません。競争的、利益主導型の制度並びに時代遅れのイデオロギーにとって、万人の間で世界資源の分かち合いを実現することの意味合いは、全てを包括しながらも貧困の根絶とグローバル経済の組織化の存続可能な霊的形態の開始を保証するためにそれ以外のものは不十分でしょう。

もしすでにこの極めて重要な転換が始まっていなくとも、これが可能であるという希望と形跡があらゆるところに存在します。その多種多様な表現におけるグローバル正義運動は国境を越えて結束し、平等と相互依存を認め、適切な生活様式の中で万人が分かち合うことを人々が切望していることを目に見えて実証しています。環境危機は自然と全生物の神聖さ、そして惑星境界と未来世代を尊ぶより簡素な生活様式への必要に基づく新たな倫理へと私たちを目覚めさせます。全方面において幕開ける水瓶座の時代を定義づけるであろう偉大な惑星規模の論議のために舞台は設定されています。それは、世界情勢に分かち合いの原理をどのように実施するかということへ必然的に焦点が絞られたものであるでしょう。


この記事は「アクエリアンエイジコミュニティ」のダイヤモンドライト・ニューズレター(2015年、No.1)のために書かれました。

フォト・クレジット:ジェニスタ、フリッカー・クリエイティブ・コモンズ

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