化石燃料に対する野心的な行動によって「地獄の門」は封じられねばならないと国連事務総長が語る

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アントニオ・グテーレス国連事務総長は今週、ニューヨークの国連本部で1日限りの「気候野心サミット」を、世界の指導者たちに向けたシンプルかつ明確でめざましいメッセージ「もっと行動せよ」という言葉で開幕しました。Common Dreamsのジェシカ・コーベット氏による報告です。

グテーレス事務総長は、産業革命以来、高いレベルの温室効果ガスを環境中に放出することによって「人類は地獄の門を開いた」と聴衆に語りましが、その聴衆の中には特にジョー・バイデン米国大統領など、汚染大国の一部の指導者の姿は含まれていませんでした。英国のリシ・スナック首相と中国の習近平国家主席はこのサミットへの出席を拒否しました。

「恐ろしい暑さは恐ろしい影響を及ぼしている」とグテーレス氏は、火曜日の国連総会での演説を繰り返して述べました。「洪水で作物が流されるのを見て取り乱す農民、うだるような暑さの気温によって引き起こされる病気、そして歴史的な火災が猛威を振るう中、恐怖に怯えながら逃げる何千人もの人々」

「気候アクションは、その課題の規模に比べれば貧弱過ぎる」と彼は続けました。劇的な改革がなければ、人類は「危険で不安定な世界」に向かって進んでおり、地球の気温は産業革命前の水準より2.8℃上昇する見込みです。すでに、人間の活動、特に化石燃料の燃焼により、地球の温度は約1.2°C上昇しています。

2015年のパリ気候協定に基づき、地球上のほぼすべての国が、今世紀の地球の気温上昇を2℃未満に抑え、さらには目標を1.5℃に抑えることに取り組むことに同意しました。しかし、科学的分析が過去8年間に繰り返し明らかにしてきたように、協定の当事者は依然として軌道から大きく外れています。

現在の予測は憂慮すべきものですが、「しかし未来は決められているわけではない」とグテレス氏は述べ、気温1.5℃目標はまだ達成可能だと強調しました。「私たちはまだ、すべての人にきれいな空気、緑の雇用、そして手頃な価格のクリーンエネルギーの世界を構築することができる」

「進むべき道は明らかだ」と彼は明言しました。「それは戦い続ける勇敢な人々や先駆者たちによって作り上げられてきたもので、その何人かの人たちは今日私たちと一緒にいる:沈黙を拒否する活動家;極端な気候から自分たちの土地を守る先住民族;ビジネスモデルを変革する最高経営責任者と公正な移行に資金提供する金融業者;ゼロカーボンの未来に向けて動く市長たち;そして化石燃料を撲滅し、脆弱なコミュニティを保護するために取り組む政府」

国連事務総長は、国際社会が再生可能エネルギーへの移行において本来あるべきところから数十年遅れていると警告し、「私たちは遅滞や圧力、そして化石燃料から数十億ドルを掻き集めている根強い勢力の剥き出しの貪欲な行為によって失われた時間を埋め合わせなければならない」と強く訴えました。

グテーレス事務総長は、先進国は2040年にできるだけ近い時期にネット・ゼロを達成すること、新興国は2050年にできるだけ近い時期にそれを達成すること、そしてすべての国が「すべての人に手頃な価格で電気を供給しながら、公正、公平、適切なエネルギー移行を実施すること」を改めて求めました。

「最貧国の多くは怒る権利がある。自分たちが引き起こしたわけではない気候危機で自分たちが最も苦しんでいることに怒り;約束された財政が実現していないことに怒り;そして借り入れコストが法外に高いことにも怒る権利がある」と同氏は述べました。「信頼を再構築するには変革が必要だ」

グテーレス氏は、英語から国連のもう一つの公用語であるフランス語に移行し、発展途上国をより良く支援するために多国間開発銀行のビジネスモデルを全面的に見直すなど、気候アクションの支援に向けて世界の金融システムを推進するよう各国政府に要請しました。

同氏はまた、アラブ首長国連邦が11月に主催するパリ協定締約国による次回の国連気候変動サミットであるCOP28で損失と被害の基金を運用するよう呼びかけました。アラブ首長国連邦は石油会社幹部を会議議長に任命したことで非難を浴びています。

「人類の未来はあなた方の手中にあり、私たちの手中にある」とグテーレス氏は付け加えました。同氏は気候サミットを開幕した後に予定されていた国連安全保障理事会会議のため、水曜日は早い出発を余儀なくされました。「一度のサミットで世界が変わるわけではない。しかし、今日は勢いを生み出す強力な瞬間となる可能性があり、今後数カ月間、特にCOPでそれをさらに進展させていく」

「テンポを上げることはできるし、そうしなければならない」と彼は結論づけました。「計画を実行に移して、流れを変えよう」


Original source: Common Dreams

Image credit: United Nations

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