国連と分かち合いの原理

STWR

この報告書は、国連の有効性についての分析を提示し、それが人道的任務をもっと容易に実現しグローバル経済へより大きな統制力を発揮できるよう、大幅な改革を可能にする方策を概要しています。


1948年、国連総会は世界人権宣言を導入しました。万人が十分な食料、水、住居、医療、教育、政治参加、そして職への権利を持つことを世界の全ての国が同意しました。おおよそ60年後、競争と利益に基づいたグローバル経済システムはこれらの不可欠なものを世界の大部分に提供できないままでいます。8億人がこの豊かな世界でいまだ餓死しており、少数派の富裕層と多数派の貧困層の間の溝はますます拡大し続けています。

グローバル経済は改革または代替を必要とします。世界教会協議会やCAFODを含む宗教団体、War on WantなどのNGOやチャリティー、そして世界中の人々が、世界の最も不可欠な資源のより公正な分配に基づいたより公平なグローバルシステムを要求しています。国連は現在、それ自体を通してそのような根本的経済変革が促進され得る唯一の国際機関です。しかしながら近年、国連システムの多くの側面が非民主主義的、無能、そして大変浪費的だと世界中の加盟国や市民社会団体によって厳しく批判され非難されてきました。この記事は、国連とその目標、その形成の背後にある本来の意図がその目標を実行する能力をどう妨げてきたか、どのような変革を必要とするか、そしてそれが世界資源の分かち合いにおいて果たせるだろう役割を考察します。
コンテンツ:
 

パート1

  • 国連 
  • 国連は民主的か 
  • 世界銀行、国際通貨基金、世界貿易機関
  • 国連は無力か
  • 国連は莫大な公的資金を無駄にしているか
  • 国連は目的にかなっているか 
  • 再生され効果的な国連の構築:
    • 安全保障理事会を解散する 
    • 国連資金調達のための国際租税実施する 
    • 分かち合いの原理を導入する 
    • グローバル経済に対する国連の民主主義的統制を修復する

パート2

  • 国連と分かち合いの原理
  • 世界の土地の分かち合い 
  • 近代的土地分配 
  • 土地へのアクセスは人権
  • 水の分かち合い 
  • 薬と基本的医療へのアクセス 
  • 鉱物資源の分かち合い
  • 技術の分かち合い 
  • 分かち合いは外国援助の最も効果的形態 
  • 私たち人民は…

パート1

国連

国連は第二次世界大戦の勝利国、アメリカ、英国、フランス、ロシア、中国によって世界の平和と安全を維持する主要目的をもって設立されました。しかし国連は単なる平和維持組織以上のものであり、それは不可欠な政策調整の責任を負う国際機関の集まりの全てを統括します。例えば、世界保健機関(WHO)は、世界中で病気の治療、管理及び予防のための国際保健政策の発展に対する責任を持っています。

人道問題調整事務所は人道支援と災害緊急援助を提供するために数々の国連機関の一団を連動させ、飢饉、戦争、地震、津波及び洪水などの惨事に遭遇している人口に食料、飲み水、避難所、そしてその他の人道的サービスを提供します。世界食糧計画は、80カ国で年間1億人以上へ世界の緊急食料援助の3分の1を供給します。難民高等弁務官事務所は2千2百万人以上の難民に国際保護及び援助を提供し、116カ国以上で難民キャンプの設定を支援します。国連開発計画は緊急時対応計画を発展させる中で災害の多い国への援助に重要な役割を果たします。しかし絶望的な資金不足がこれらの機関がさらに多くを達成することから妨げているのです。

2006年3月、コフィー・アナン氏は、アフリカの角で飢餓に脅かされる人々へ食料をもたらすために中央緊急対応基金を開始しましたが、これもまた資金不足がこの機関の任務の遂行を妨げてきました。

国連は民主主義へ移行中の国を支援します。それは自由で公正な選挙への技術的援助を供給し、司法制度を改良し、憲法を起草し、人権に携わる人員を養成し、武装運動を政治活動へと変換します。

国連は話し合いと国際立法発展のための必要不可欠なフォーラムを提供し続けてきました。それは海洋法に関する国際連合条約などの条約を交渉し、広い分野にわたる項目を含んだ5百以上の多国間協定を後援してきました。国際協定や条約は、最近、国際刑事裁判所を確立した規程など、世界各国間の関係を統治する法制の基礎を形成します。2002年5月、ホワイトハウスはアメリカ国民は政治的動機に基づく国際司法の対象になると明言し、ローマ規定からその署名を取り下げると発表しました。この決断が国際刑事裁判所をさらに弱体化しながらも2002年にそれは運営可能となり、2006年に最初の裁判を開始しました。

国連は、グローバル・サウスの貧困が世界平和維持と同じほど大きな課題であることを認識したため、1960年以来国際会議を開催してきました。環境、人口、食料、女性、人間居住、雇用、水、そして砂漠化を含む多くの問題についての国際会議が行われてきており、殆どの問題が国際会議で4、5回討議されています。会議は基本的方針や引き出された結論に基づき国際合意が達成され加盟国の政策に影響を与えるために利用され得る、国連にとって重要な手段となる議論のためのフォーラムです。例えば、1992年のリオにおける環境と開発に関する国際連合会議は、アジェンダ21で到達した結論を進展させるために国連持続可能な開発委員会の設立へとつながりました。

あいにく、加盟国にはさらに高等な国際機関への説明責任がなく、義務を遂行(すいこう)するための道徳的プレッシャーがあるのみで、国際会議から合意を強いることはできません。合意されたことを政府に実施させることのできる唯一の勢力は、大衆の非難力のみです。

国連は民主的か

この疑問に答えるためには、第二次大戦の最終年における国連開始まで遡る必要があります。第二次大戦終結の遥か以前に国際連合という言葉を元々使ったのはルーズベルト大統領ですが、彼は世界の全ての国ではなく、ナチに対して同盟を組んでいた米国、英国、フランス、ロシア、そして中国のみを指していました。従って第二次大戦後、これらの5カ国が国連の核となり安全保障理事会を形成しました。彼ら各々が安全保障理事会の常任理事国権及び決定への拒否権を有しています。安全保障理事会は現在15カ国へ拡大されましたが、最初の5つの加盟国だけが常任理事国の地位にあり、参加国の大部分によって下された決断を拒否する力を保持します。西洋とイスラムの間の建設的で寛容な関係を発展させることがこの時代の最も差し迫った安全保障問題であるにもかかわらず、イスラム世界を代表する常任理事国がありません。安全保障理事会は地理的バランスに欠け、本当のところまったく代表的ではありません。ドイツ、日本、ブラジル、インド、南アフリカ、ナイジェリア、そしてその他の国々が常任理事国クラブへ参加したいと望んでいますが、常任理事5カ国がどの国が参加することにも反対しています。現在、国連加盟国は192ありますが、192カ国が国連の政策について話し合い投票するにもかかわらず、国連総会の決断は加盟国に対して拘束力を持ちません。安全保障理事会の決断は拘束力を持ちますがこれは非民主主義的であり、国際組織としての国連の力を弱めます。

正式には理事会の「推薦」のもと国連総会によって行われるはずの事務総長任命も、実際にこの5カ国が行います。任命はそれぞれの大陸を通して順番にまわり、例えば、2006年の新事務総長はアジアからであろうことが受け入れられています。これは明らかに非民主主義的なリーダーの選び方である上、選択されたリーダーは波風を立てたり現在のグローバル経済システムを乱すことはありません。際限なく忍耐強い現在の事務総長、コフィー・アナン氏でさえ、彼の多くの世界的問題への率直な姿勢のため新保守主義の米政権によって絶えず批判されています。それが医薬品であろうと農薬であろうと「自社製品」を売り込むために「自社社員」を重要な地位につけることによって利益をあげるであろう大企業に左右されることもある、同じような非民主主義過程によって国連機関のディレクターも選ばれます。

国連の問題は、それが元来米国によって考案され、同盟国と一緒に米国によって設立され、そしてその本部が現在米国にあることです。これは米国を強力な立場へ置きます。例えば、他の加盟国の代表者が米国の思い通りに投票しない場合、それは彼らへビザを拒否することによって脅すことができます。ある時など、他の加盟国の思いに反してビザ発行を拒否することにより、米国はイランの代表者が国連へ出席することを実際に妨げました。これが他の多くの加盟国を憤慨させたにもかかわらず、国連が米国を拠点としているため、彼らにはどうすることもできませんでした。国連の独立性は米国への従属により厳しく損なわれています。例えば、米国はボズニアに従事することを望まなかったため、国務省のローレンス・イーグルバーガー氏は「我々はバルカン半島に戦略的関心がない」と言い、そして国連は民族浄化を止めることに対して無力に終わりました。そして国連がルワンダ虐殺を防ぐことを止めたのは、それに従事することへの米国の抵抗でした。

60年代と70年代には、新たに独立した発展途上国が国連を通して彼らの声を発し、世界で意味のある変革を勝利することがまだできていました。これはなぜならソビエト連邦(USSR)が彼らの理念を支持したからです。しかしソビエト連邦諸国の崩壊以来、国連に対する米国の力はますます拡大しています。近年、第三世界を支持するために米国に立ち向かう国はありません。

世界銀行、国際通貨基金、世界貿易機関

世界銀行と国際通貨基金(IMF)は双方とも第二次世界大戦後即時確立され、厳密には国連の一部です。IMFは本来、国際通貨システムを安定させる目的で政府へお金を貸すために設立されました。しかし、それは国家間の返済不可能な負債につながるであろうとその当時の英国の経済学者エドワード・ホロウェイは予測しました。1971年までに、世界のより貧しい国々の返済不可能な債務はすでに明らかになっており、IMFはそれらの国々の統治のおおよそ全側面に干渉する許可を得る目的で、関連条項を書きかえていました。安定した為替相場を促進し、金融変動に対して国々が自衛できるようにする代わりに、資金の流れと自由な利益へのどのような障害をもすべて押しのけ始めました。これは、そのもともとの任務とはおおよそ正反対です。

IMFには184カ国が加盟しており、その中の米国、ロシア、日本、ドイツ、英国、フランス、カナダ、そしてイタリアの8カ国(G8)によって、秘密のベールに包まれた会議を通して運営されています。これらの国々が世界経済の約65%を代表します。これらの国のそれぞれがその経済力に応じて決定のための投票を行います。それは、IMFが欧州を拠点としているにもかかわらず、米国が最も大きな票(17%)とすべての決定への拒否権を持っているということを事実上意味し、世界の最も貧しい80カ国は票の10%を持つに過ぎません。G8が専務理事(欧州人)と副専務理事(アメリカ人)を選びます。何十年もの間、IMFは厳しい融資条件の賦課を通して世界の貧困層の生活を悪化させてきたことに責任があります。IMFは本質的に欠陥があり、構造上不正であり非民主的です。

世界銀行は、未発達の国々での長期的投資を促進し、経済を拡大、強化する目的のためにつくられました。主要なプロジェクトに融資し続けるためにそれは貧困国へ低金利でお金を貸しました。1980年代までに、ウォール・ストリートとアメリカ合衆国財務省はなぜか世界銀行と繋がりを持ち、それに影響を与えることができました。ですから、貧しい地域経済のために投資を促進する代わりに、これらの国への企業のアクセスを促進する目的で世界銀行はローンの提供及び差し控えを始め、主要企業の利益になるようなプロジェクトを次々に融資しました。

世界銀行は被援助国へ改革を取り入れるよう強制し、彼らに構造調整プログラムとして知られる厳しい条件を課し始めました。これらの改革は、資本市場の規制暖和や水供給、公立学校、病院、そして公的年金などの国有企業の民営化を含みました。構造調整プログラムはまた、社会福祉の公共プログラムを削減するよう第三世界諸国に強要しました。その結果、第三世界の大部分の状況が悪化したのです。

去年、ジョージ・ブッシュは、世界銀行の新リーダーとして新保守主義のポール・ウォルフォウィッツを選びました。米国の大統領が世界銀国の総裁の選択に貢献できるという事実そのものが非民主的です。これは、民主的国際機関として機能する国連の能力をさらに弱め、米財務省及び米国を拠点とする多国籍企業の利益を促進し得るだけです。今年、IMFは中国、韓国、メキシコ及びトルコの役割と議決権を拡大したいと声明しましたが、これは、世界最貧国がいまだ十分な代表権を持たないまま残る一方で、IMFが民主的機関であるためには十分ではありません。

近年、世界銀行とIMFは彼らが貧困削減と良いガバナンスの推進者であると宣言しました。しかし、津波の後続する影響によって被害に遭っている国々、戦争によって破壊されエイズ(AIDS)に圧倒される国々を含んだ第三世界の国々が、世界銀行の債務持続可能性の枠組みの一部として債務返済に支配され続ける限り、世界銀行とIMFは貧困削減と「開発のための融資」に取り組んでいると正直に主張することはできないのです。これらの国々において持続可能な債務のレベルはありません。今年、世界のリーダーたちによって非常に声高に吹聴された債務救済は、現在グローバル・サウスを苦しめる債務の大変小さな部分を満たした程度です。そしてこの債務救済は被害を受けた国々の人々の主権を蝕む条件付きであり、グローバル企業の権益にグローバル・サウスの経済を結びつけた状態にしておくのです。

何百万という罪のない自給自足農家を強制退去させ、大規模な環境破壊を起こし、そして水力発電ダム、鉱山、パイプライン及び石油探査プロジェクトを融資したことに責任のあるあの同じ世界銀行が、気候変動と環境破壊との戦いを先導していると現在主張せねばならないとは皮肉なものです。代替エネルギー開発の先導者だと主張する世界銀行グループは、従来のエネルギー源開発にさらに多くの資金を充てています。事実、それはグリーンハウスガスの原因となるプロジェクトへの世界の主要な投資家であり、下記を含むそれ自身の「採取産業レビュー」提案の実施を拒否しました:

1)原則として、資源採掘プロジェクトに直面するコミュニティは状況をよく把握した上で事前の自由な承認をださねばならない。

2)炭化水素抽出プロジェクトへの投資の段階的廃止。

第二次世界大戦後、国連、世界銀行、そしてIMFを設立した国々はまた、世界貿易機関(WTO)の創設を希望しました。しかし、実際にそれがつくられ、関税及び貿易に関する一般協定(GATT)に取って代わったのは1995年になってからでした。見たところ民主的に見えるその目標は、国際貿易を拡大する目的で関税と非関税障壁を低くすることでした。しかしWTOに149カ国が加盟しているにもかかわらず、それは民主的に機能しません。WTOの貿易計略は最近まで、悪名高き控え室の中で密かに選ばれた2、3の国々により交渉されていました。世界の貧困国の大多数はこのあらかじめ定められた計略に影響を与えることは許されていません。これは結果的に、経済的に優勢な国々に都合の良い世界貿易規則を生んでいます。貿易協定は、不安定な自国の産業、環境、そして社会制度を守る目的で、第三世界の国々によって以前課せられた貿易障壁を剥ぎ取りました。それと同時にそれは、グローバル・ノースの富裕国が彼ら自身の農業を守るために莫大な補助金を払うことを許します。

ウォー・オン・ウォントのジョン・ヒラリーによれば、149の全加盟国の正式な会合は「単なる儀式」です。英国の機関、アクション・エイドは、「WTOの政策立案過程は反民主的で透明性なく、そして富裕国の都合の良いように組織的に歪められています。発展途上国は彼らの利益にならない協定を受け入れるよう繰り返し追い込まれてきました」と言います。「発展途上国の不利になるよう厳重に仕組まれた交渉から、彼らの利益になる結果を得ることはおおよそ不可能です」とグローバル・ジャスティス・ナウのピーター・ハードスタッフは言います。彼はまた次のように付け加えました「富裕国は思い通りの結果を保証するために、弁護士、専門家、そして交渉者の幅広いチームを揃えます。2、3の代表者しかもたない小さな国が競うことは期待できません」。

国際連合貿易開発会議(UNCTAD)は最近、1990年代の36の貧困国における貿易自由化の影響を研究しました。そして「最も開かれた貿易体制を導入した国々で貧困率が明確に増加した」という結論に至りました。理論上、WTOは富裕国と貧困国において等しく持続可能で長期的な経済発展と生活水準の改善を促進すべきであり、万人の人権を守るためにそれは国連とパートナーシップで機能すべきです。実際には多くの場合、WTOはあからさまに国連の目標及び政策に矛盾して、富裕国とその企業の代表として機能しています。グローバル企業は WTOに働きかけ、その政策に影響を与えることを許されています。八千三百万ドルの予算を持つWTOは驚くべき力を行使し、その国際貿易協定は国家の経済政策だけでなく、労働、人権または環境保護に関係した多国間協定さえもを覆すことができるのです。WTOの政策、IMF及び世界銀行は全て連結しています。

長年にわたってIMF、世界銀国、そしてWTOはさらなるパワーを得てきており、そして国連の利益のために仕えるよりもむしろ完全に非民主的方法でその政策を決定しようと試みます。

IMF、世界銀行及びWTOに支配された国連に内在する民主主義の欠如を認識するコフィー・アナン氏は、彼の2005年のレポートの中で国連が取るべき方向性を示しています。集団決定のための新たな権限を持つ再生された国連を彼は提案しました。「しかしながら」、2005年に今は亡きロビン・クック議員は言いました「集団意思決定は、参加者同士が大体のところ同等でなければ不可能です。そして問題は、米政権を運営する新保守主義者たちはアメリカのために平等でなく優越性を欲しており、国際合意を構築するつまらないプロセスでなく、米国の権力の率直な行使により世界を適切な状態にするグローバル・ガバナンスの代替モデルを強く欲しているのです」。米国は遠大な要求をし、最終的にコフィー・アナン氏の改革は効果を弱められ、国連は以前と同じ非民主的状態のまま残りました。

国連は無力か?

ここで再び私たちは、より豊かな国々とより貧しい国々がそれぞれに見合った貢献度で国連へ資金を提供すべきであると決められた初期の頃へ戻る必要があります。米国が最高額(25%)を国連の予算に貢献することに同意しました。多くの加盟国が支払いを遅れますが、米国ほど何年も滞納することもある国はありません。これは、国連が常に資金不足であることを意味します。適切な資金なしで国連が正しく機能することは不可能です。米国が全支払いをおさめるつもりがあったにしても、国連の予算はそれが真の効果を発揮するには小さすぎるのです。

国連は支払いを受けるために米国が決定した条件を受け入れるよう強要されています。最近の条件は、過去4、5年分の支払いと引き換えに米国の支払い分を22%に減らすことに貢献しました。理論上これは、国連に対する米国のパワーと影響を削減すべきですが、実際には米国が安全保障理事会の加盟国であり、そして国連の建物と世界銀行が米国に位置することから、彼らはいまだこの身代金でもって国連を押さえることができるのです。日本は現在米国とおおよそ同じくらいの大きな貢献をしています:19.63%ですが、第二次世界大戦の勝利国でないため安全保障理事会の常任理事国ではありません。ですから国連において日本は米国と同じ影響を持たないのです。

世界銀行が追求する新自由主義政策は他の国連機関の開発課題と矛盾します。国際連合憲章は、全加盟国が「人権の普遍的な尊重及び遵守」を促進し、そしてそのためには「共同及び個別の行動をとる」ことを義務付けます。世界銀行の米国主導新保守主義政策により立ち上げられる絶え間ない障壁に対して、国連機関は国連憲章の条項を促進することを必死で試みています。これらの政策は、米国と米国拠点の人権を無視した利益主導型の多国間企業の利益となります。

もし国連に世界人権宣言に謳われる原則を実行するパワーがあったなら、国連とその種々多様な機関はそれらの原則を守ることの中心となっていたことでしょう。しかしその資金の性質そのものが、それらの原則の順守を保証するための効果的方策を実行することから国連を妨げています。米国は長い間、官僚的で過剰に政治的、そして無能であると彼らが批判する国際連合人権委員会の信用を落とすよう努めてきました。また、ジンバブエ、スーダン、そしてサウジアラビアなど人権に関して良くない経歴を持つ国々の加盟をそれは許したと彼らは批判しています。2005年3月、コフィ・アナン氏は彼のレポートの中でこれらの批判へ答えとして、国際連合人権委員会の撤廃)、そして新たに小規模な国際連合人権理事会(UNHRC)の設立を要求しましたが、米国(他の3国と共に)はそれに対して反対票を投じました。国連総会の民主的意思決定が米国に常時妨げられる中、コフィ・アナン氏、そして実に国連がどのように効果的に機能することができるのでしょうか。

国連の構造はその有効性を妨げており、国連安全理事会は権力と地位の面で国連経済社会理事会に勝っています。安全保障理事会の議題の余りに多くが平和的進展促進の失敗に根ざした暴力的な紛争に充てがわれるため、コフィ・アナン氏は2005年のレポートの中でこ不均衡の悪質さを指摘しています。経済社会理事会の権威の欠如は、多くの地理的に分離した国連機関を連動することにおける失敗の原因となっています。それ故、彼らは時折互いに同じ分野で競争することになるのです。これらの機関は問題解決へのアプローチにおいて異なり、異なり続けます。例えば世界保健機関は、十分な財力を持った僅かな人々しか使う事のできない先端技術の病院と薬でなく、地域レベルでは低技術のプライマリ・ヘルス・ケアの効果的な提唱者でした。その一方で、国連食糧農業機関(FAO)は地元の人々との協議なしに「緑の革命」の方針を促進した責任者です。1994年までの18年間、FAOの事務局長を務めたエドゥアール・サウマ氏は危険な農薬、人工肥料、ダム及び灌漑プロジェックトを促進し、小規模農家が自分たちの作物を育てる代わりに収穫物の現金引き換えへ転換するよう力説し、彼の方針を上位から強要しました。これらの方針は莫大な社会的、環境的損傷を生み出しました。

国連は頻繁に軍備管理と軍縮について話し合います。1946年の国連総会初の決議は、「核兵器および大量破壊に繋がる他のすべての主要な武器の国家による武装からの除去のための具体的な提案を出すための委員会の設立」でした。次に、安全保障理事会とカナダはすべての軍隊と軍備の削減を整え、制限し、そして釣り合いをとるために軍縮委員会を形成しました;すべての大量破壊兵器を除去し;そして国際管理と原子力の平和利用のみを保証するためです。1961年、国連総会は原子力兵器の行使を国際法上違法とする決議を可決しました。1968年、核保有国から非核保有国への核兵器の拡散を禁じる核兵器不拡散条約を承認しました。「核兵器クラブ」メンバーであるイスラエル、英国、インド、そしてパキスタンなどの国に対しては目を瞑り自分たちの大規模な核軍備を増大させるかたわら、核導入を試みるイランなどの国を脅すために米国はこの方針を行使しています。

1970年、国連総会は大量破壊兵器の海底における設置を禁止する条約を承認しました。その後の1971年、国連総会は生物兵器の製造、備蓄および使用を禁止するもうひとつの条約を承認しました。1991年、国連総会は通常兵器の登録に関する決議を可決しました。これは、すべての国が兵器の主要な国際移転についての情報を提出することを要求します。国際立法であるこの決まりに従うことを米国は常に拒否して来ました。1998年、国連は地雷の開発、生産および輸出を禁じる法案を承認し、その破壊を推奨しましたが、米国はこの地雷禁止協定に署名することを拒否しました。

米国の協力なくしては、国連にとって軍備増強へ多くの影響を持つことは常に困難となるでしょう。しかし多くの話し合いとそれから生まれた条約は、この問題へ一般人の注意を集中させることに役立ってきました。細菌兵器、化学兵器および毒物兵器などの軍備の特定タイプを制限することに米国外ではいくらかの進展がありました。しかし武器製造および貿易は拡大し続け、世界の貧困の削減ためによりよく使われていたであろう莫大なお金を使い尽くしています。

国連は莫大な公的資金を浪費しているか?

浪費するにはほんの少しのお金しか国連にはありません。国連の予算とその全機関およびプロジェクトの費用の合計は、1993年には米国民がその年、花や鉢植えの植物に使った額と同じ65億ドルでした。今日、国連とその全機関および基金は、英国における一年間の広告費(18億四千万ドル)とおおよそ同じでした。これは、殆どの政府の予算と比べると小額であり、世界の軍事費のほんの僅か(56分の1)でしかありません。その結果、20年近く衰弱をもたらす財政危機に国連は直面し、全分野での重要な計画の削減を余儀なくされてきました。

国連がなぜこのようにどうしょうもなく資金不足なのかという理由の一部は資金の受け方にあります。もともとそれが形成された時、加入国は各自の歳入に基づいて毎年分担金を払うことに同意しました。世界一の富裕国である米国は、国連の予算の25%に貢献することに同意しました。国連は絶えず未納金に悩まされています。多くの加入国がすべての分担金を払わず、自発的拠出金を削減してきました。2006年5月31日の時点で、通常予算への加盟国の滞納は12億六百万ドルを突破し、そのうち6億七千六百万ドル(通常予算の滞納の56%)を米国一国が占めていました。

支払いの滞納によってさらに縮小された国連の小さな予算は、国連が効果的であることを不可能でなくても大変困難にします。資金差し控えにより、そして滞納した支払いと引き換えに方針変更を要求することによって米国は国連を思う通りに行動させます。

国連は目的にかなっているか?

手短に言えば答えは、ノー、です。現在の国連の形態は非民主的で、どうにもならないほど資金不足であり、そしてその機関はまとまりなく北半球にバラバラに散っています。その機関の事務総長およびディレクターの選任は不可解で非民主的であり、そしてそれらの機関は職員に対しての報告義務を欠いています。世界銀行、IMFおよびWTOは国連よりむしろ米政権、国際企業および世界の少数派の富裕層の既得権益のために機能しています。

しかしながら、国連は世界のおおよそすべての国を代表しており、60年の貴重な経験を積んだ最も代表的なグローバル組織です。大部分が国連によってつくられた人権法は、人権の殆どの側面をわかりやすくまとめており、おおよそ全ての国連機関がこれらの権利を保護することにある程度関与しています。残念ながら、これらは現在のグローバル経済システムの下では無力ですが、これらを促進し保護するための機構が確立されてきました。

効果的な新国際連合の構築

国連はもっと民主的、もっと効果的、そして何よりもっと強力になる必要があります。それは、貧困者の緊急のニーズを満たすために変革を必要とします。民主的変革は米国の新保守主義政権や企業利益によって指図されてはなりません。全人類の平和と人権を促進する目的で国連はつくられました。世界資源の分かち合いはより公平な経済を形成し、国家間の平和的関係を育成することによりこのプロセスを大きく促進するでしょう。

国連の構造および資金の供給の変革は、加盟国と世界の民間人からの圧力によってもたらされる可能性が最も大きいでしょう。市民社会グループは数多く、その数と規模は拡大し同盟を形成しています。その重要な人道的使命の成就において国連システムが効果的であるために実施される必要のある、主要な変革のあらましを下記に説明します。

⒈ 安全保障理事会を解散する

国連は安全理事会の拒否権の拘束から解放されねばなりません。安全保障理事会は第2次世界大戦の遺品であり、今日のように国連内で有力な立場を保持すべきではありません。よもや、国連が真に民主的であるなら、60年前に起こった戦争の勝利者の拒否権に従うはずはないでしょう。

安全保障理事会は解散せねばなりません。そして拒否権の力なくして、国連総会が世界の民主的な理事会としてその場所を引き継がねばなりません。このようにして、世界の大多数派の利益のために、安全保障、経済および人権の問題に民主的方法で取り組むことが可能です。

 

⒉ 国連資金調達のための国際租税を実施する

明らかに、現在の国連資金調達システムは機能していません。資金供給の現在のレベルは、たとえ全加盟国が彼らの分担金額を期限までに払ったとしても、適切に国連を運営するための十分なお金をもたらさないでしょう。出し惜しみする国々によって与えられる貧弱な施しに依存する国連は、人権を守るために必要な任務を実行することは決してできないでしょう。国際租税は遥かに大きく頼りにできる収入をもたらし、そして適切に資金を供給され政策を実行できる国連をつくります。結局のところすべての政府は、商品やサービスへの直接的税金を通してであろうと所得税を通してであろうと、その諸々の計画に資金を供給するために租税を使うのです。

 

もし国連が国際租税により資金を供給されたなら、加盟国による拘束から自由になっていたことでしょう。世界が必要とする民主的で効果的な組織へとそれが変換するために必要な改革を実行できていたことでしょう。それは国際立法を強化し、そしてグローバル経済構造を徹底的に見直す立場に立ち必要に応じて従わせていたことでしょう。それは企業のパワーを抑制し人権に従わせることが可能だったでしょう。

国際租税のいくつかの形態が国連自体によってでさえ提案された時、1997年の分担金額未払いの続行をもって脅すことにより米国が取り下げを強要しました。しかしながら、第3世界の国々とNGOは国際租税を強く要求し続けます。下記はその提案のいくつかです:

  • 武器の生産、貿易および輸出の国際税
  • 国際航空輸送税
  • 国際通貨取引税(トービン税)
  • 国際環境汚染税

これらのうちふたつの税務の採用だけでも、現在の、生き残るだけでも大変な予算よりまだ良い予算を国連に提供でき、そしてこれらすべての税務の採用は、ミレニアム目標を実行するための十分な財源を国連にもたらすでしょう。国際税務は、国連への分担金額支払い(常にドルでの)の重荷を貧困国から取り払い、代わりに、収入は企業や相場師から入ってくるでしょう。国際税務は、どの国であっても国連の政策へ不適切な影響を与えることを防ぐでしょう。

3.分かち合いの原理を導入する

人道的任務を遂行し、世界全体を通して人間の基本的ニーズを確保する目的で、土地、食料、水および薬などの不可欠な物資の分かち合いに基づいた新経済システムが実現されねばなりません。分かち合いのシステムは、競争ではなく協力に基づくでしょう。それは、既存の援助と開発の構造に取って代わり、そして、非必需品を供給し続けることのできる、徹底的に点検された市場に基づく経済と共存するでしょう。この分かち合いの原理は、さらに詳しく下記に説明されます。

4.グローバル経済に対する国連の民主的管理権を修復する

国連は元来、国際貿易と金融機関の決断や活動などのグローバル経済の全側面を監督することを意図しました。国連が民主的で公平なグローバル経済をつくるためには、世界銀行、IMFおよびWTOによって強制される拘束から解放される必要があります。これらの機関の固有の歪みを考慮すると、それらが着々と退役させられることは不可欠です。これらの機関の任務は、国際貿易、金融および開発を規制し援助するために、全ての必要な経験を持つ国連機関へ返されねばなりません。

開発目的のためのグローバルな協力と資源の分かち合いによって、世界銀行はほとんど不必要とならしめられ、残りの開発資金への要求は国連経済社会理事会(ECOSOC)を通じて処理されることが可能でしょう。

分かち合いのシステム下では、国連の後押しで世界の公衆により商品の大部分が共有され分配されるでしょう。他のすべての貿易は、国際連合貿易開発会議 (UNCTAD)を通して規制され、WTOが次第に廃止されることを可能にします。残りの貿易制度は、ジョン・メイナード・ケインズにより初めに提案されたように、国際清算同盟などの本質的に均整のとれた機構を活用すべきです。

すべての多国間債務もまた完全に免除されねばなりません。国家間の均整のとれた取引や債務負担の除去は、国際収支の主な赤字を国々が被る可能性が小さいことを意味するでしょう。 ついでIMFもまた、着実に廃止されることが可能でしょう。短期緊急外国為替ローンが必要な時は、新たな国連ベースの金融機関がお金を貸し、推進的に企業の影響力なくして必要な専門知識を提供できるでしょう。

新自由主義的米国ベースのグローバル経済システムは終わりを迎えねばなりません。そして、企業の経済力と政治的影響は制御されねばなりません。企業は社会的ニーズと人権に役立つようにされねばなりません。

国連はまた、通貨投機を廃止する国際立法を推し進めねばなりません。そして、武器の生産のためのお金と資源の無駄な浪費はなくされねばなりません;そして国連によって同意されているように、武器の制限に関しての国際立法は遵守されねばなりません。


パート2 

国連と分かち合いの原理

国連の取り組みの中心となるのは、断続する国際平和および安全は万人の経済的、社会的幸福が保証されることによってのみ可能であるという完全な確信です。これは、万人が十分な食料、水、住居、医療、教育、政治的参加および雇用を与えられるべきことを意味しますが、現在のグローバル経済システムの下では起こり得ません。社会的、経済的に適切な生活状態が世界で確保され得る唯一の方法は、分かち合いの原理に基づいた新経済システムを通してのみです。人権の原理をすでに促進する国連は分かち合いの原理をもまた促進すべきであり、これが国際連合憲章の一部となるべきです。国連は世界資源を分かち合うために必要な構造を規定すべきであり、そして国連資源共有理事会(UNCRS)など、そのための国連機関が設立されるべきです。 UNCRSが請け負うべき第一の活動は、食料とその他の不可欠な物資を極貧者へ再分配するための国連緊急再分配プログラム(UNERP)を開始することです。

UNCRSはまた、国際連合食糧農業機関(FAO)、国際連合開発計画(UNDP)、国際連合環境計画(UNEP)、国際連合世界食糧計画(WFP)、国際農業開発基(IFAD)、国際連合訓練調査研究所(UNITAR)、国際連合人間居住計画センター(HABITAT)、世界食糧理事会(WFC)などその他数多くの国連機関と密接に機能するでしょう。

それはまた、国際連合貿易開発会議(UNCTAD)と連携し、そして現在のように富裕者の利益のためでなく、万人のニーズに基づき、国家内および国家間での他の残りの貿易を規制するでしょう。

世界の土地を分かち合う

土地は世界の最も重要な資源です;それは生活の供給者であり、維持者です。私たち全員が、生得権としてこの地球への平等な権利を持つのです。「この地球は人間が働き、生活するために普通株として与えられている」とトーマス・ジェファーソンは言いました。「家、糧および援助のために神が人間に与えたこの土地、この地球は、空気や水のように決してどの人のものでも、どの企業、どの社会またはどの非友好的政府の所有物であるべきではない。個人または企業が彼らの家や糧のために必要以上のものを保持するべきでない。不使用のものすべては自作農場を営むため、そしてそのように使用されている間はそれらを保持するため、すべての家族が無料使用できるよう保持されるべきである」とアブラハム・リンカーンは言いました。それにもかかわらず、土地への権利は民主主義の設立文書外に取り残され、そして世界人権宣言の中で触れられていません。ジョン・モホーク氏は自身のエッセイの中で、『現代世界の問題は、土地が「商品」化しその地位をなくした時、西洋文明が地球と地球ベースの文化の征服と搾取の歴史を開始した』と述べています。

侵略と戦争の間、奪った土地の窃盗行為を正当化するために土地所有権の概念をローマ人が最初に発達させました。初期のキリスト教徒はローマ人の土地所有権の概念について苦々しく訴え、土地は万人によって分かち合われ管理されるべきであるという指示を発布した神が土地を所有することを、明瞭に述べる聖書からの数節を引用しました。

土地はわたしのものだから、それを永久に売り渡してはならない。あなた方は私のもとに居留している異国人である。(レビ記 25:23)

大地の利益は万人のものである。(コヘレトの言葉 5:9)

わざわいなるかな、彼らは家に家を建て連ね、田畑に田畑をまし加えて、余地をあまさず、自分ひとり、国のうちに住まおうとする。(イザヤ書 5:8)

どうぞ、あなたがたは、きょうにも彼らの田畑、ぶどう畑、オリブ畑および家屋を彼らに返しなさい。(ネヘミヤ記 5:11)

第一次囲い込み法が合法化された時、土地の権利の衰えは1235年のイギリスで本格的に始まりました。その当時はイギリスの耕地の半分以上を村人が所有しましたが、取り囲み法は市場システム内での売買可能な商品となるよう土地を「私有財産」として定義し直しました。次の500年間、イギリスの村人は徐々に彼らの土地から強制的に立ち退かされました。

正義と土地の共有権を確信したイギリスの大法官、トーマス・モア(1478年−1535年)は、牧羊のために莫大数の村人を立ち退かせることの不正さに対して熱烈に抗弁しましたが、彼の激しい勧告も聞く耳を持たれませんでした。イギリスの土地の囲い込みまたは私有化は、約7百万エーカーを含んだ4千の私有化・囲い込み法の可決のなか次の5百年間容赦なく続きました。アランナ・ハートゾックによると、1876年までにイギリスとウェールズではわずか2225人が農業地の半分を所有し、人口の0.6パーセントがその98.5パーセントを所有しました。今日、イギリス人口の2パーセントが土地の74パーセントを所有します。

現代の土地分配

世界中で土地所有権は徐々に衰えてしまい、世界の大多数派を土地未所有者にしました。最近83カ国で土地所有に関する調査を行った国連は、土地の4分の3が人口の5パーセント未満によって所有されていることを発見しました。例えば、南アフリカではいまだ少数の白人層が土地の86パーセントを所有しており、そしてエル・サルバドールでは人口の2パーセントが土地の60%を所有する傍ら、ブラジルでは183,397平方マイル(473,968平方キロメーター)の土地を342人が所有しています。

発展途上国で貧困者が飢える理由の一部は、大地主が自国民に供給するためでなく、輸出のために食物を育てるからです。1973年、国連は、世界の最も貧しい40カ国のうち36カ国が米国に食料を輸出していると報告しました。メキシコではより基本的な穀物が、その国の小作人より(米国に輸出される)畜牛によって消費されました。ブラジルでは伝統的に最も広く植えられる作物はとうもろこしでしたが、1977年、この作物の3分の1以上が家畜を肥やすためにブラジルあるいはヨーロッパにいきました。そして、大豆は価値あるタンパク質豊富な作物であるにもかかわらず、世界の大豆の大部分が西洋諸国の家畜を肥やすために輸出されています。大地主はまた、土地を未耕作のままおいておきます。例えば、何百年も前に村民が土地を剥奪されたスコットランドでは、広大な地域が少数の豊かなジェントルマンが銃で撃つライチョウの飼育のために使われています。

大きく高価な機械、人口肥料、そして農薬を使用して一種類の作物を生産することが小作農より生産的で費用効率が高いと広く信じられていますが、それは誤った推論です。1975年、世界銀行は、すべての農地の79パーセントが大地主に所有されていると示した調査を行いました。これは、すべての地主の約3パーセントを構成し、最小の農家より1エーカーあたりの収穫量が少ないのです。1972年、エドガー・オーウェンズとロバート・ショウは「再検討された開発:政府と市民の間の溝の橋渡したをする」という本で、インドにおいて大きな農家より最小の農家が、どのように1エーカーあたりの生産価値が3分の1高かったかを述べています。タイでは140エーカーとそれ以上の耕地より2エーカーから4エーカーの土地が、1エーカーあたりおおよそ60パーセント多いお米を生産しました。アルゼンチン、ブラジル、チリ、コロンビア、エクアドルおよびグアテマラでは、小規模農業の生産高は大規模農業より1エーカーあたり3倍から14倍さらに生産的であると世界銀行は報告しました。

そういうわけで、世界銀行がその調査結果に基づいた方針を選び、自給自足農業を促進するためできる限りすべてを尽くしたと結論付けてもいたって当然なのです。しかしそれはまったく真実とはかけ離れているのです。世界の多くの地域で世界銀行は大規模なダムを融資し何百万人という農民から小さな土地を取り上げて来たことから、自給自足農業の衰退に責任があります。企業のアグリビジネスと鉱業もまた、増え続ける小規模農民からの剥奪に責任があるのです。
 

自作農民は彼らの土地でより多くを育てます。なぜならそれが彼らにとって、生存するためのすべてだからです。彼らは、機械がするよりさらに気を配って相補的作物を混ぜ、一定の順序で植え、労働集約型である栽培と家畜の組み合わせを選び、そしてなによりも、制限された物資を最高限に利用します。小規模農民はまず第一に、彼ら自身ための食料を育てます。すなわち、小規模農民に土地を分配することはその国の食料供給を増やす傾向があります。土地分配を行った多くの国々は、農業生産の増加を見ました。1945年、ベトナムの農地の半分以上が、収穫の最高4分の3を家賃として取り上げた地主とフランス人入植者によって保持されました。1954年、北ベトナムは土地改革を始め、1957年までに北の耕地の45パーセントが農村世帯の77パーセントへ分配されていました。FAOの土地改革に関する第6レポートによると、1960年から70年間、米国との戦争にもかかわらず、北ベトナムの米の収穫は20パーセント上昇し、その他の作物は50パーセント上昇でした。

1974年、ポルトガルでファシズムが打倒され、農業労働者は南ポルトガルの巨大な私有地に覆われたおおよそ3百万エーカーを押収しました。2年以内にその地域の耕地利用率は3倍となっていました。多くの新しい仕事ができ、間も無くして彼らはポルトガルの麦の50%と肉の5分の1から4分の1を供給していました。

第二次世界大戦後、イタリアではポー谷の人々が大きな地主に所有された土地を取り返し、それを共同で耕し始めました。彼らは大変な成功を収め、それ以来今日に至るまで全域が豊かなまま残っています。同じように、南イタリアのバジリカータでは貧困者が協力的に、そしてここでは有機栽培で土地を耕作するため結束しました。この地域は現在、以前に比べ遥かに生産的で、果物、野菜、オリーブオイル、ワインおよびその他多くの不可欠な食材を生産しています。かつてイタリアの最貧困地域であったバジリカータの人々は、現在高い生活水準に恵まれています。シチリアでは、大きな地主マフィアのボスたちから押収された土地は共同農業へ再分配され、有機栽培によりそれらの土地の生産性は向上しました。共同農業は専門知識と設備を共有します。

おそらく、増産をもたらした土地の再分配の最も印象深い例は、キューバで見ることができるでしょう。食用作物の輸出はすぐに削減され、生物農薬を含んだ有機農業の全側面の研究と合わせて、小規模農民を優先する政策が完全な食料自給へと導きました。田舎の多数の小規模農場に加え、七千の土地が都市部に割り当てられました。これらの都市農園が、現在都市部の人々の果物と野菜のおおよそ90パーセントを供給します。人々の庭を含む未使用の土地すべてが有機栽培で耕されています。

土地へのアクセスは人権

土地と資源への人権に基づいた政治経済システムを私たちは必要とします。1996年、国際連合人間住居計画センター(UNCHS)はグローバル議題を公表した時、その中で次のように述べ方向性を示しました:

「土地へのアクセスと土地保有権の法的保障は、万人への適切な住居の提供と、そして持続可能な都市開発のための戦略的前提条件である…農村部および都市部の適切な土地政策を全レベルにおいて適応することの失敗は…不公平性と貧困の第一原因として残る」

1996年、インスタンブールで165カ国は、土地へのアクセスの保障のセクション(B.3.c.)を言明する国連ハビタットIIの アクション・アジェンダ世界行動計画)を承認しました。

「すべての政府は持続可能な土地使用政策の状況において、適切な土地供給の提供を促進することへの献身と義務を見せねばならない。異なる国内法/または土地保有権のシステムの存在を認める一方で、それでもなお土地への公平なアクセスを妨げるかもしれないすべての可能な障害物を取り除くために、地方自治体を含んだ適切なレベルの統治機関が努力し、そして土地と財産が法律のもと保護されることを保障すべきである」

その地を「我々のもの」と呼ぶアメリカ先住民とオーストラリアのアボリジニは、土地の権利のために長い間懸命に戦ってきました。彼らの成功は僅かですが、土地が万人のものであり、取り囲み法以前の、共有地を統治する法律とほぼ同じように土地はすべての人のものでありその管理はすべての人の責任であるところの、より公正で公平な社会への道を指し示して来ました。

貧困国の貧困者が飢えと栄養不良に苦しむ傍ら、広大な土地が不使用のままよこたわるか、あるいはそこでは砂糖、コーヒー、茶、綿、そして高級野菜でさえが米国やヨーロッパに輸出されるために生産されるところの現在の世界状況が断続することは明らかに許されません。不動産投資の結果として、現在、世界規模での土地の分配は前例のない最低レベルまで悪化しており、一握りの少数派が世界の土地のほとんどを操作し、大多数が法外な家賃、または金利を家のローンのために支払う現代版封建制度が生じています。

水の分かち合い

土地の権利に次いで水への権利が重要です。2002年、世界保健機関は次のように述べました。「水への人権は、個人的および家庭内の使用のために、手ごろな価格で物理的にアクセス可能な、基準を満たした安全な水を十分に確保できる権利を万人に与えるものである」。きれいな水へのアクセスなくして多数の病気からの回避は不可能です。世界保健機関のリー・ジョンウック事務局長は言いました:『水と衛生は公衆の健康の基本的推進力であり、私はしばしばそれを「健康101」と呼びます。それは、万人のためのきれいな水と適切な衛生設備へのアクセスを一度確保できるなら、生活条件の違いに関係なく、すべての種類の病気との大戦は勝利されるであろうことを意味します』。

コフィ・アナン国連事務総長は言いました「私たちが安全な飲み水、衛生および基本的医療のための戦いに勝利するまでは、エイズ、肺炎、マラリアまたは発展途上国を悩ませているその他の感染病も最終的に打ち倒すことはないでしょう」。

それにもかかわらず近年、水への権利の概念は水の民営化によって蝕まれています。1997年、世界水会議はその初の世界水フォーラムをモロッコで開催しました。世界銀行と国連の代表と一緒に、いくつかの世界最大の水企業からのCEOが水の民営化と規制緩和について話し合うために勢ぞろいしました。2000年、このプロセスをどのように速めることができるかを検討するために、世界水会議は彼らの2回目の世界水フォーラムをオランダで開催しました。世界銀行とその構造調整プログラムの後援をもって、水企業は、水に対する普遍的権利の廃止に対するすべての反対を打ち破ることができ、それを人権でなくむしろ経済財として再分類しました。

世界保健機関によると、24億人が適切な衛生設備を欠く一方で11億人がきれいな飲み水へのアクセスをもちません。世界の貧困地域に住む人々が水を買うお金がないことから、水の民営化は状況を悪化させるでしょう。民営化が行われた場所では、多くの場合、汚れているか不安全な無料の水源を人々は探し出しています。これはコレラなどの水系感染症の発生率の上昇につながっています。

十分な量の手ごろな価格のきれいな水が人類のひとりひとりに提供されねばなりません。

薬と基本的医療へのアクセス
 

全人類が無料で医療を提供されるべきです。過去、第三世界では公衆衛生および衛生対策は限られた範囲内で一定の病気を抑制しました。しかし、世界銀行に無理強いされた第三世界の負債支払いと構造調整は、これらのすでに貧弱な公衆衛生対策の破綻の原因となりました。その結果、かつて減少していたコレラのような病気が現在、本格的な脅威として再び現れています。第三世界を苦しめる感染病のほとんどを抑制する手立てを私たちは知っています。私たちはこの知識を分かち合い、水および健康教育と共に公衆衛生および衛生が万人に提供されることを要求することによって、予防可能な病気の予防を促進すべきです。

世界人口の80パーセントが、身体的、精神的および霊的健康障害の治療には伝統医学(主に薬草)に依存しています。世界保健機関は、すべての第三世界の国々は薬として使われるすべての植物を記録し、その効果が確認されるべきと勧告しました。これらの植物の中には無効果または有毒なものがある傍ら、多くは一定の病気の治療に効果的です。残念ながら多くの場合、最も基本的設備を欠く第三世界の国々の多くにはこの研究を実行するお金がありません。世界資源を分かち合うということは、安全な植物薬が効果的な領域でそれを第三世界の国々が使うことのできるように、研究を行うために必要な設備と資金を提供することを意味します。

ほとんどが子供であるサブサハラアフリカに住む6億人は、マラリアの死の脅威に毎日直面しています。経済の激変、武力紛争、構造調整プログラム、そして第三世界の負債がマラリア抑制プログラムの破綻と第三世界における地域の基本的医療サービス崩壊の原因です。マラリアの寄生虫は、アルテミシニンをベースにした併用療法以外はすべての既知の薬剤に対して抵抗力をつけました。アルテミシニンをベースにした併用療法またはガーナでマラリア患者の治療に使われる植物、クリプトレピス・サングイノレンタなど地元の効果的な薬草によってマラリア患者は治療されるべきでしょう。

毎年マラリアを患う3億5千万から5億人と比較して、推定3千8百60万人がHIVに感染しています。それにもかかわらず、世界中でHIVの治療のための83億ドルの資金と並ぶと、6千万ドルのマラリア抑制のための資金をちっぽけなものにします。もし十分な資金が利用可能となるなら、そして、参加型アプローチがそれに続き蚊の繁殖の源となり得るすべてを取り除くなら、デング出血熱やその他のいくつかの昆虫媒介感染症と共にマラリアは抑制されることが可能です。
 
その90パーセントが5歳未満である180万人が毎年、主に第三世界で下痢性疾患により命を落としています。これらの病気は汚れた水、不十分な衛生状態と衛生設備の欠如が原因となります。WHOは次のように言います。「水への人権は、個人的および家庭内の使用のために、手ごろな価格で物理的にアクセス可能な、基準を満たした安全な水を十分に確保できる権利を万人に与えるものである」。下痢性疾患の治療は、患者にとって、特に小さな子供とっては命にかかわる脱水症状を予防するため、主に飲料用の生理食塩水/葡萄糖溶液の提供から成り立ちます。これらの子供たちは、手頃な値段のきれいな飲み水と適切な衛生設備と共に、親への健康教育の提供により救われることが可能です。

乏しく計画された灌漑プログラムと大規模なダムの結果として、10億人が住血吸虫症と土壌伝播蠕虫に苦しんでいます。住血吸虫症は、プラジカンテルの単回投与で治癒可能ですがもし、人々に適切な衛生設備が提供されず、そして(a)どのように感染を避け、また(b)その菌による給水汚染をどのように避けるかを教えられなければ、即時に再感染が起こります。これらの病気に苦しむ人々は、プラジカンテルを用いた治療と、病気の蔓延を阻止し再感染を防止するために考案された予防医療プログラムに参加する権利を持ちます。灌漑システムが再検討され、適切な衛生設備が提供され、万人が健康教育を与えられるべきでしょう。

 

グラクソ・スミスクラインとメルク・アンド・カンパニーは、10億人が感染する危険のある恐ろしい熱帯病、フィラリア症の根絶を果たすために必要なすべてのアルベンダゾールとメクチザンを固く誓いました。これらの薬はまた、それらを服用する人々の土壌伝播蠕虫(主に鉤虫)を治療します。グラクソ・スミスクラインとメルクはこのため賞賛されるべきですが、薬の提供が十分ではありません。これらの疾患の蔓延の阻止と再感染の回避を可能にできるように、治療は勿論のこと健康教育がこれらの疾患に苦しむすべての人に提供されるべきです。

世界資源を分かち合うことはまた、環境をきれいにする責任を分かち合うということも意味します。原子力発電所や核再処理工場から漏れた有害化学物質、劣化ウランの塵、そして放射能からの公害が原因した疾患から何百万もの人々が毎年死んでいます。西洋諸国においてさえ、一定の地域が危険な化学物質で大量に汚染されており、これらは社会の貧困層が住む地域である傾向があります。汚れのないきれいな空気、有害化学物質を含まない食品、そして汚れのないきれいな水への権利を万人が持つのです。

鉱物資源を分かち合う
 

土地への権利と密接な繋がりを持つのは、土地に含まれる鉱物への権利です。それにもかかわらず、多国籍鉱山企業が土地の鉱物資源を略奪すると同時に、世界の多くの地域において土地の住民がそれらの企業によって踏みつけられています。

大規模な鉱業は脆弱な生態系を破壊し、川、湖、そして海を汚染します。アンデスの高みに巨大な穴を掘り、シアン化物を使って鉱物を取り出すつもりのカナダのバリック・ゴールド・コーポレーションに立案されたものなど、鉱山企業はこれまで以上に野心的なプロジェクトを計画しています。粉砕された鉱山からの鉱石はヒ素、水銀および鉛を含んでいるでしょう。それらは山々を下って流れる水の中に徐々に浸出し、流れに沿ってウアスコ県を汚染するでしょう。土地を保護するためにたたかう農民たちにより、大規模な抗議デモがチリとアルゼンチン双方でオーガナイズされました。

これは、多国間鉱山企業が農民と先住民族の生活を破壊し続けるやり方のほんのひとつの例なのです。富裕国に拠点を置く国際鉱山企業は、多くの場合、大規模な鉱床の源である第三世界の国々が環境劣化の代償を払う傍ら大規模な鉱業から莫大な利益を上げます。鉱物資源を巡る戦争が何千人もの死者を出したケースも幾つかあります。

技術を分かち合う

世界資源を分かち合うということはまた、技術を分かち合うということをも意味します。これは、アフリカへ巨大なトラクターを輸出したり、中国でダムを建設するという意味ではありません。それは、小規模で安価、独創的であり、そして太陽、風、雨を利用する中間技術を研究し発展させることです。例えば、太陽の照る暑い国でのソーラーオーブンは薪への必要を削減することができます。雨水貯留浸透システムは、減少する地下水貯留を人々が使い切ることを防止する手助けができます。有機農業技術の発達は必須です。限界のある人口肥料や環境に有害な農薬に世界が依存し続けることは不可能です。石油備蓄の価格がますます上がるにつれて、やがて全世界が再生可能エネルギーを必要とするでしょう。再生可能エネルギー技術を発達させる国々は、他のすべての国々、特に第三世界でそれを利用可能にすべきでしょう。

分かち合いは外国援助の最も効果的な形態

世界中で貧困者や懸念する市民が世界資源の分かち合いを要求しています。最も緊急なニーズを保証するために、新国連が効果的に活動できることを彼らは要求しています。

世界資源の分かち合いは土地、水、鉱物、技術、そして医薬品などの必需品を分かち合うことを要求します。特に、食料、水、そして医療の普遍的提供は、極貧の結果、日々起こる最高5万人の死を防止する可能性を持ちます。現代世界にそのような貧困が存在する事実は、新自由主義なグローバル経済システムの失敗を指摘します。商品としてそれらを売買する代わりに、これらの必需品の分かち合いに基づいた経済システムのみが、人間の基本的ニーズが普遍的に充足されることを保証できるのです。

他の機関とすべての加盟国と連結して、国際連合資源共有理事会(UNCRS)がどの資源が人間のニーズにとって最も不可欠であるかを決定するでしょう。それは土地の権利の概念を促進し、土地を持たない大衆への土地の再分配を促進するでしょう。これが、貧困者に彼ら自身とローカル・コミュニティのために食べ物を育てることを可能にします。食料安全保障をこのような方法で達成することは、最極貧国に経済社会発展をもたらすことにおいて決定的役割を果たすでしょう。UNCRSはまた、水道サービスが民営化されないこと、そしてそれがグローバル市民の共同運営の支配下にあり続けることを保証するでしょう。それは、コストに関係なく医療と技術が最も必要とされるところでそれらが提供されることを保証するでしょう。

 

合わせて、これらの方策は革新的に貧困を根絶し、現在の可能性を遥かに超え国際発展の取り組みを迅速に促進できます。海外開発援助の現在の速度では、ミレニアム開発目標(MDGs)は2015年ではなく2050年までかかるでしょう。そして目標が時間内に達成されたとしても、2015年にはまだ9億人が1日1ドル以下で生活しているでしょう。経済援助を送ることは十分ではありません。不可欠な資源を分かち合うシステムが、時間がかかりすぎ非効果的なすべての既存の援助と発展の取り組みを置き換えるべきです。

私たち人民は…

近年、「グローバルな意識転換」の必要について多く話されています。実際、この転換はすでに起こっているのです。しかし、この転換の方向性に沿って前進することから人類を妨げているのが、定着したグローバル経済システムなのです。私たちのマインドは強く条件付けされており、自己満足的な無頓着さを通してのみ競争と容赦ない私欲に基づいた経済を構築され得るのです。大変多くの人々を絶対的貧困へと強いる不正な状況を生み出している自分たちの役割を、私たちは認めねばなりません。最も重要なことは、多数派が恩恵を受けることのできる公正な世界の創造に私たちは参加せねばなりません。社会的、経済的、そして何よりも個人が霊的に進化することを可能にする、真のグローバルな民主主義の確立を大いに援助する可能性を国連は持っています。私たちは国連を全面的に支持する必要があります。

世界規模の参加を実現するために人々が国連について理解を深めることは必須です。人類のための必要不可欠な役割に対して認識を高めるための取り組みの一環として、世界中の学校で国連及びその機関の目標と活動について教えられるべきであり、またグローバルな結束と平和的国際関係の必要性、そして透明で民主主義的グローバル・ガバナンスの構造の必要性についても教えられるべきです。社会全体がガバナンスについて国連が担う重要な歴史的役割を認識し、グローバル市民の未来の利益のためにどのように新国連がもたらされ得るかを考察せねばなりません。
 

多数派の利益のために機能する効果的な国連は、基本的な人間のニーズを充足するために不可欠な資源の普遍的提供を保証すべきです。この提供は国益へのこだわりから自由でなければならず、そして政治的な考えは、共産主義、社会主義、そして資本主義などの分裂的な「主義」から自由でなければなりません。世界は競争でなく協力の原理に基づいた新グローバル経済を必要としています。世界の資源を分かち合うことは、この経済を成就し、貧困を根絶し、社会経済の発展を促進するために最も効果的です。それは、協調的な活動を通して世界をひとつにし、平和を構築する可能性を持ちます。従って、世界資源の分かち合いを促進することは、新たに再生された国連の中心的役割とならねばなりません。

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