グローバルな分かち合いの経済に出資する、パート3:10の政策勧告

STWR

長年、数多くの報告書およびイニシアチブが、緊急な世界のニーズのために付加的な資金を調達する革新的政策のニーズを浮き彫りにしてきました。

それらは、ミレニアム開発目標充足のために、あるいはグローバル・サウスでの気候変動の緩和および適応プログラムへの出資のために、資金を募る新たな方法に焦点を絞った数多くの報告を含んでいます。[1] 現在の報告書はやや大ざっぱで非専門的ですが、政策立案者や経済学者よりむしろ懸念する市民に向けられています。次の10のセクションで提示された勧告は、既存の報告書に提唱されているオプションの多くを取り上げていますが、ここでのフォーカスは開発や気候資金だけではありません。この報告書は、グローバルな分かち合いの経済に出資し、原因が何であろうと不必要な貧困関連の死を止めるために国際社会が巨額の資金を動員し再分配する手段をどう持っているかということを明確にします。世界的最優先事項として、緊縮財政政策を撤廃し、生命を脅かす剥奪を防止し、気候変動の人間への影響を緩和するために、政府は付加的な収入を使うべきです。

もし下記に提示された政策勧告が実施されるなら、数年内で国際コミュニティが2兆8000億ドル以上を動員できるようにすることが可能でしょう。それは、国内および世界双方で分かち合いの経済を強化し拡大するために政府が使用すべき資金です。この巨額は世界のGDPの約4%です – 世界の貧困者全員のための基本的な社会保護レベルを確保するために必要とされる額の2倍です。[2]

次の10のセクションで説明されるように、提示されるデータは大まかな年間推定に過ぎずかなり控えめです。例えば、世界的租税回避から得られる部分的な額が含まれるだけです;違法の脱税を防止し、グローバル・サウスでの租税制度を強化し、そしてノースでより革新的な租税政策を採用することにより、公共の収入から何億ドルもの(あるいは世界的には何兆ドルもの)金額が毎年徴集されることが可能です。そして不当な債務の帳消しについてのセクションで概説されるように、そこで計算に入れられているのは違法な「独裁者の借金」だけです;事実、政府はさらに相当額の債務を帳消しにすることが可能であり、また帳消しにされねばなりません。同じように、軍事費についてのセクションで概説されるように、政府が現在の出費の4分の1以上の額を転用すべきことは当然です。IMFのリソースを再分配するための年間推定でさえ、既存の特別引出権(SDR)を発行することで募ることのできる1650億ドルという額は含まれていません。さらに、物品税、グローバル富裕税、または新たな国際金融ファシリティなど、この報告書のなかで考慮されていない財源を募るために政府が利用できる、種々の付加的な革新的オプションがあります。

付加的な公共資金を政府が募ることができるようにすることに加え、勧告された政策の多くは明らかにそれ単独でも有益です。例えば、炭素税は炭素排出を著しく削減することに役立ち、そして金融取引税は最もリスクを伴う投機取引数を削減するのに役立ちます – これは、世界中で経済危機を引き起こし、ガスと食料価格を急上昇させたギャンブルのようなものです。合わせて、この報告書のなかで概説される控えめな提案は、より削減された軍事費、国家債務および企業助成政策、そしてより公平な国際貿易制度とさらに革新的で効果的な租税形態を持った世界を確立することを促進できます。これらの広く擁護された長期的目標は、国際コミュニティにとって正しい方向への莫大なステップとなると同時に、斬新な変革へと取り組む何百万人もの人々にとって勝利の兆候となり、そして緊急に続かねばならない国際政治経済システムへのさらに斬新な改革のための道を整えるでしょう。

長年、世界中のオーガナイゼーションと個人は、この報告書と彼らに関連する多くの運動のなかで提示された政策勧告を支持してきました。市民社会のアドボカシー活動がこれらの提案を政治課題のトップへと押し上げたケースもいくつかありました。特筆すべきことは、大きな成功をおさめた「ロビン・フッド税」運動に続いて、多くのヨーロッパ諸国で政府が金融取引税を間も無く実施するであろう可能性は現在ますます増しているようです。同じように、外国援助を拡大し、「第三世界」債務を帳消しにするための運動 – Make Poverty History(貧困を過去のものにしよう)やJubilee 2000(ジュビリ−2000)などの大衆動員 – は、以前公衆から広範に渡る支持を得ました。今日、脱税および租税回避問題はまた、租税正義を取り巻くますます拡大する公の討論の結果として、政策立案者によって広く話し合われています。

この報告書のなかの政策および運動すべてへの公衆の支持がもし拡大し続けるなら、世界規模での世論を動員させ、政府の政策を変革させる可能性は迅速に現実となります。これを起こすためには、この報告書を読む全員が – 特に、これらの問題について初めて知った人々が – 分かち合いと正義へのグローバル・コールを支持せねばなりません。

  • 次のセクションは、即時の世界的優先事項としてグローアルな分かち合いの経済に出資するために2兆8千億ドル以上を政府がどのように動員できるかを概説しています。
  • 各セクションは、債務帳消し、外国援助および租税正義の拡大など、運動家が長期間提唱してきた特定の政策の大要を提示しています。

  • もし政府らがこれらの勧告を実施したなら、どれだけの資金を動員できるかという推定が提供されています。

  • 付加的ボックスは、金融取引、自由貿易および非道な補助金の問題など、「グローバル正義」に関係した問題をさらに詳説しています。

  • 各政策勧告の実現可能性と現段階の状況についての短い評価が、政治的プログレスおよび公衆の支持双方の観点から述べられています。

  • 懸念する市民がさらに詳しく知り、分かち合いおよび正義のためのグローバル運動に参加することを助力する、重要なキャンペーンと並んで主要な付加的リソースもまた浮き彫りにされています。

10の政策勧告 :

1.金融取引税
2.化石燃料およびバイオ燃料の補助金
3.軍事費の転用
4.租税回避の防止
5.外国援助の拡大
6.アグリビジネス支援の廃止
7.IMFのリソースの再分配
8.炭素税
9.不当な債務の帳消し
10.関税を守る


Notes:

[1] For example, see Monterrey Consensus of the International Conference on Financing for Development, Monterrey, Mexico, 18-22 March 2002; or more recently see United Nations Department of Economic and Social Affairs, World Economic and Social Survey 2012: In Search of New Development Finance, United Nations: New York, 2012; United Nations, Report of the Secretary-General’s High-level Advisory Group on Climate Change Financing, November 2010. 

[2] International Labour Organisation, World Social Security Report 2010/11, November 2010.

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