よくある質問

よくある質問の項目は、団体としてのSTWRや経済的分かち合いについての話し合いの中で生じがちな主な疑問と誤解のいくつかを概説しています。

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目次

STWRに関する質問:

経済の分かち合いに関しての質問:


STWRに関する質問

組織としての狙いと目的は?

組織としてふたつの幅広い目的があります:

  1. 現在政府が取り組みに失敗している多くのグローバル危機への現実的な解決策として、経済の分かち合いを実施することの正当性を明確に論議することです。これらのグローバル危機には飢餓、貧困、不平等、気候変動、環境破壊と世界の天然資源を巡る紛争が含まれます。
  2. 世界資源の公正で公平な分配の必要性に同意する、グローバル市民の多種多様な運動を動員することです。社会・環境正義のための高まる世界規模の運動の一環として、公の議論を刺激し、分かち合いの原理と協力の原則に沿った国内および国際政策議論に影響を与えることを狙いとします。

これらの目標の達成を促進するために、なぜ世界的な資源の分かち合いが必要なのか、そしてそれがどのように達成され得るかについての概要を提示します。オンライン声明は、国内および国家間のより公平な富、権力、資源の分配の必要性を概要しています。それは、経済的分かち合いのためのグローバル・コールに声を加担したい個人や組織によって支持されることが可能です。私たちがウエブサイトで発表するレポートやアーティクルは、STWRの組織的およびキャンペーン目的についてさらなる情報とリサーチを提供します。

他の組織との違いは?

ほとんどの組織によって提案される政策解決策は、通常限られた数の課題、または単に国内だけの懸念など特定の問題に関連しています。STWRは単一争点の問題へ取り組むことや、特定の政策や「万能サイズ」的解決策を提唱することを求めていません。ウェブサイトと活動を通して、経済的分かち合いの多様な形態がどのようにして世界的な不平等と気候変動から資源戦争まで広範囲な重大危機の根本的原因に取り組むことができるかについて詳説することを試みます。

これらの問題や他の緊急なグローバル問題への取り組みにおける政府の失敗にもかかわらず、決定的に欠落している要素は、共通のプラットフォームにおいて市民と市民社会組織を統一できる変革への世界規模の要求です。わかりやすく言うと、私たちの目標は、革新的な活動家を結びつけ、活動家の団結の場および政策立案者のためのガイドの両方としての役目を務めながら、政治経済改革に影響をおよぼすための実際的な手段の提供を促進できる前進への道を分かち合いの原理がどのように提供するかを示すことです。

政治的、イデオロギー的、もしくは宗教的組織と提携しているのか?

STWRは、政治的または宗教的組織、および特別利益団体とは関連をもたず、そのどれからも資金を受けていません。分かち合いの何らかの形態を提唱する様々な組織がありますが、STWRはそれらの団体とは直接的に提携していません。

どのように資金は調達されているのか?

STWRの財源は完全に個々の支持者の個人寄付によって供給されています。営利組織や特別利益団体からの寄付は受けず、たとえば、その使い道に対しての条件がないため、すべての資金は無制約的です。これは、STWRが外部からの影響や圧力なしで目的を追求することを可能にします。

詳細または寄付をご希望の方はここをクリックして下さい。またはこの件についてコンタクトをご希望の方は、Hodaka[at]sharing.orgまでメールでお願いします。

チャリティとして登録されていない?

STWRの組織目標は政治的であるため、チャリティ・ステータスの資格を有していません。英国チャリティ規制にしたがうと、登録されたチャリティは目標を促進するために政治的手段を使うことができる一方、最も重要な主要目標は完全な慈善でなければならず、少しでも政治的であってはなりません。

したがって、慈善に関する法律によって妨げられないということは、STWRが独自の方法で自由に目的を追求できることを可能にします。(アムネスティ・インターナショナルはその取り組みにおいて似たやり方をもつ別の例です。) しかしながらSTWRのディレクターは、税理士と弁護士からの助言にしたがい、厳格な財政・管理上の手順を遵守しています。

経済の分かち合いに関しての質問

なぜグローバルな分かち合いを提唱するのか?

本質的に分かち合いは私たちの周りの世界で広い範囲で明らかなものであり、世界のすべての国の人々に馴染みの深いシンプルなプロセスです。すなわちそれは、一定の組織に属するとか特定の問題に限定的に適応されるとかいう理念ではありません。一般的に、国際コミュニティが現在対応に失敗している差し迫ったグローバル危機のあらゆる種類の解決策として、どのように経済の分かち合いが適応され得るかを理解するのは難しいことではありません。

STWRが特に集中している3つの幅広い分野は、世界の貧困、拡大する不平等レベル; さらには気候変動と環境危機; そして天然資源をめぐる紛争です。これらの危機は性質上かなり多種多様であり、これらに総合的に取り組むために必要な解決策の種類も多種多様です。しかしながら、国内および国家間で公平に、そして持続的に富、権力、資源を分かち合う方法を見つけない限り、これらの相互連結した問題への取り組みが究極的に不可能なことは当然であるのです。

STWRは世界の解決困難な問題へ取り組むために必要とされる改革の幅広さを前提として、経済的分かち合いのプロセスを国際コミュニティが正確にどう実施すべきかということの新たな構造的青写真や、一連の特定の法律や政策を要求しているのではありません。分かち合いの原理は極度に多様性に富んだ概念であることから、私たちは国家およびグローバルレベルでの経済的分かち合いを体現できる包括的な政策をはっきりと示し、これらの政策がどのようにグローバル危機への取り組みを促進できるかを説明しようと努めています。

分かち合いは自発的に実行されるべきか?

個人的、自発的なレベルで分かち合いが果たすことのできる重要な役割があり、実践可能な自発的な分かち合いの多くの例があります(下記の項目を参照)。しかしながら経済的分かち合いはまた、どのように社会で資源が分配され、国家が社会、経済正義を推進し、環境を守るのかということに関係しています。この理由から、分かち合いの原理によって手引きされたどのような経済改革も政府によって推進され、民主主義に基づき同意される必要があります。これは勿論、権限の一部としてそのような政策を取り入れる民主的に選ばれた政府であることを前提としています。現在世界中で次々に展開する大衆抗議デモによって確認できるように、STWRにおいての私たちの認識は、市民がより公平な富、権力、資源の分かち合いを政府にますます要求するようになるだろうということです。

分かち合いの原理に基づいた新たな経済的合意はすべて、万人の利益と国益とのバランスを取ることを目指して民主的および協力的に行動することを代表政府に要求するでしょう。それは、どのような世界規模の改革をも、国連を通して交渉することの正当性を明確に裏づけます。グローバル・ガバナンス機関が人類全体の代表として機能していないため、国連および他の政府間機関(特に世界銀行、国際通貨基金、世界貿易機関)への思い切った徹底調査も同様に必要とされます。

分かち合いは新たな経済的イデオロギーか?

分かち合いが社会主義の一形態であり反資本主義的だという一般論へしばしば導く、時代遅れの経済的イデオロギーの色眼鏡を通して世界を見る、政策立案者の優勢的傾向が存続し続けます。この一般的な誤解は、分かち合いの原理の実際の意味に偏狭な解釈を与えただけの既存のイデオロギー的概念の視点から人々が考える時に起こります。

事実、私たちの周りの世界と毎日の生活のなかで分かち合いが表される多種多様な方法があります。たとえば、次のような視点から分かち合いを述べることが可能です:

  • 観察可能な自然の原理
  • 科学的、人類学的にその多くが証明されている人間の主要な特質
  • 霊的伝統および宗教的伝統における共通理念
  • すべての国で日常的に万人が携わる社会的交流の様式

これらの数少ない例さえが、分かち合いがどのように自然な人間の行為であるかを説明しているかもしれません。そして人間の基本的ニーズの充足に応えるために、このシンプルな原理が政治経済構造にすでに適応されていてもよい頃でしょう。しかし、一連の特定の政策や手順を伴うイデオロギー的構築や概念的骨組みへと分かち合いを変換する必要はありません。それとは反対に、分かち合いの原理は、国家および世界規模でより公平で持続可能な資源分配を保証する必要に基づいた政治経済改革のガイドとして機能する可能性をもっています。世界経済を促進する企業的グローバリゼーションの現在のモデルとは異なっているため、経済的分かち合いの概念は貿易と発展への「万能サイズ」的代替として見られるべきではありません。

分かち合いは社会主義や共産主義の一形態か?

経済の分かち合いのプロセスは、20世紀における社会主義のイデオロギーや共産主義の実践とは大変異なります。上記に概要されるように、分かち合いは人間界および自然界の普遍的原理であり政治的関係と経済システムに関連する時、それが一連の特定の政策や手順へ収縮されることは不可能です。社会主義や共産主義とは異なり、それは資本主義の形態や他の経済秩序システムの存在を除外しない包括的概念でもあります。さらに、分かち合いは、国際社会として私たちが直面する重大危機への対応のなかで実現されねばならないため、世界問題の実際的な解決策となります。社会主義や共産主義の現在や過去の例とは異なり、国家的およびグローバルなレベルで経済的分かち合いの効果的なプロセスが起こらねばならないことを意味します。

これらの基本点は、社会主義、または純粋な市場経済学の支持者のイデオロギー的動機と経済的分かち合いの論理的根拠が、なぜそれほど異なっているのかを説明するのに役立つかもしれません。社会主義や共産主義の計略の結果ではない多くの既存の政策のアイデアのなかで、どのように経済的分かち合いが促進されているかに言及することもまた大切です。たとえば、私たちは経済的分かち合いを下記のものとして理解できます:

  • 多くのコミュニティー活動、労働組合事業モデル、土地管理 / 信託統治の基盤として。
  • すべての慈善寄付、フィランソロピー(篤志家)活動の基盤として。
  • 分配的税制、社会福祉と必要不可欠なサービスへの公共支出の背後にある原理として。
  • 人道・災害救援、政府開発援助(ODA)の基盤として。
  • 国境を越えた経済的分かち合いを効果的に実現した1940年代末期のマーシャル・プランの一つの重要な側面として。
  • 国際法における「人類共通の遺産」の前例に基づいた多数の国連条約の中心核として。

上記のれいは、大変広範囲にわたって既存の市場を基盤とした経済的骨組みのなかですべて実施されるため、それらが社会主義や共産主義の形態を構成するとは議論し難いのです。

グローバル危機の解決策として経済的分かち合いを提唱することは現実的か?

純粋な資本主義も社会主義も片方だけで世界問題の持続的な解決策を提供できないことはますます明らかになってきています。人類は、緊急に過去のむしろ制約的なイデオロギーを越え、環境的限界を超えることなく万人のニーズを充足する解決策を受け入れる必要があります。これは、ある程度の経済的分かち合いなくしては不可能でしょう。

国内および世界規模での政治的権力のより民主的な分かち合いは、この移行の特に大切な側面です。共産主義が国家に政権を集中させ資本主義が企業と超富裕層に財力を集中させる一方で、経済的分かち合いのプロセスはどのようなものでも全国民間の政権および財政力のより公平な分配を必要とします。

分かち合いの概念が、進んで政治経済の観点から話し合われないとしても、国家およびグローバル双方の危機の解決策として経済的分かち合いがすでにどう提唱されているかという例が多数あります。これらは以下を含みます:

  • 多かれ少なかれ分かち合いへを求めて急増する世界の民間運動。たとえば、これは以下を含みます: 租税回避と緊縮財政政策への反対運動、もしくは必要不可欠な公共サービスへの支出拡大を要求する公衆の動員(たとえば、 ブラジルの最近のデモ / ヨーロッパの反緊縮財政政策運動 / 学生の学費値上げ反対抗議デモなど); 多くの「アラブの春」抗議デモ、オキュパイ運動、インディグナドスなどを含む、不平等に対するまたは社会・経済正義のための大衆民間抗議デモ;土地と天然資源の権利の保護、そして平等権のための先住民の抗議デモ。
  • 気候変動交渉で最大の悩みの種のひとつである、気候変動への取り組みにおける公平さの原則へのフォーカス。気候に関するグローバル協議の行き詰まりを解決するための鍵として、大気および開発の空間の公平な分かち合いのために多くの革新的分析者が議論しています。
  • ピーター・バーンズによって提唱されるスカイ・トラストや、グローバル・コモンズ・トラストによって要約された提案など、信託として世界資源を管理するための「コモンズ」活動内からの様々な提案。
  • 国連内の多くの機関によって促進される、世界の貧困者のための最低限度の世界的な社会保護の要求。
  • ​世界資源のより公平な再分配を基盤とした援助、公平な貿易、債務免除のために多くの人々がキャンパーンを行なっています。

他の多くの例と共に上記は、分かち合いがどのように過激派や社会主義の理念ではなく、むしろ世界の最も差し迫った問題のいくつかへの実際的な解決策であるかということも明確に示しています。それはまた、分かち合いの概念がどのように政策サークルのなかで急速に関連性を獲得し、多数の公衆意識を徐々に掴み始めているかをも示しています。

分かち合いと自由市場資本主義は共存できるのか?

経済的分かち合いが明らかにイデオロギーではない一方、経済機構においてなによりも市場の役割を優先する経済モデルは、特に経済学者と政策立案者の間で疑いなく強力かつ大変優勢的なイデオロギーとなりました。私たちが直面する多数の危機が明らかにするように、それは全体としての地球の社会的、経済的、環境的必要性、そして資源安全保障の必要性へ取り組むことに大失敗しているモデルでもあります。

市場が強力になり過ぎて日々の営みから切り離される時、市場の支配に関して強い議論が行われるべきです; その良くない社会的もしくは環境的な効果が社会の利益を超える時; あるいはそれが大多数の人々を犠牲にして少数派の利益となる時。社会の市場勢力の過度の影響のバランスを整え直すためそれは規制と政府の介入を当然必要とします。例にとると、国家レベルでこれは政策立案の主な目標である経済成長追求の緊急の見直しと現在進行中の必需品および不可欠なサービスの民営化の見直しを必要とします。同様に国際的レベルで最貧困者が人権として生活必需品へのアクセスを保証されるためには国際貿易と金融の既存の機構の根本的改革が必要とされます。他の改革のなかでそれはまた特に食料と薬品の知的財産権制度の縮小を余儀なくさせます。

大部分が自由市場経済の原理に基づいた社会では、分かち合いや再分配のそのようなプロセスは恐らく過激にうつり、衝突や、そのような変革から大部分を失う立場にある人々からの反対の原因となるかもしれません。この展望から、分かち合いの原理を具体化する政策と自由市場の機能との間には確かに摩擦があります。しかし、さらなる消費、さらなる利益、さらなる富の蓄積、そしてGDPの絶え間ない増加が必要であるという前提に経済と社会の生存力がかかっている時、この摩擦の大部分が、今日経済的分かち合いが起こらなければならない状況の結果なのです。社会の自由市場が重要であることの正当性を主張する人々の多くは、累進課税や経済的分かち合いの他の基本的な形態の介入を、完全に市場を基盤とした資源の分配のやり方に対して有害だと考慮するかもしれません。

もし国際社会が経済システムの基盤を見直し、富、権力、資源がより公平にそして持続的に分かち合われる世界へと動くことができたなら、現在それからは程遠いとはいえ、社会の重要な役割を市場勢力が担い続けられないという理由はありません。確かに、国際的に資源が分かち合われる世界を共同で建設することは、人類にとって非常に大きな推移が要素となる莫大な挑戦です。私たちが直面する社会的激変とグローバル危機は疑いなくこの推移に関係した至難の兆候ですが、それらはまた経済的分かち合いのすべての形態への高まる必要性と要求を示しています。

STWRは世界政府の確立を要求しているのか?

世界政府はグローバル規模で経済的分かち合いが行われるための前提条件ではありませんし、世界制度のなかで政治力が集中集権化する最も影響力のある国家機関を確立することも望ましくありません。しかしながら持続不可能な競争の激しいグローバル経済を改革するプロセスの中心核となるのは民主的、包括的、そして代表的なグローバル・ガバナンスのシステムの確立です。これは世界政府というものとは余り関係がありません。グローバル・ガバナンス機関は1945年の国連創立以来、世界経済を私たちが体系化する方法の中心核となって来ました。 

グローバルな規制監督がグローバル化された経済システムのなかでの社会・環境正義を達成するために絶対不可欠であるにもかかわらず、今日の支配的グローバル統制機関(IMF、世界銀行、世界貿易機関など)はすべて非民主的で富裕国とグローバル金融市場の権益に密接に結びついていること、そして「新自由主義的」自由市場の計略の追求においてイデオロギーに駆り立てられていることが広く批判されています。

国際社会の卓越した討論室として国連総会は、これらの機関の改革とより包括的なグローバル・ガバナンスの骨組みの確立において重要な役割を演じることができます。改革された国連システムは、世界の国々が新たな経済的合意を交渉するためのフォーラムとして機能できるだけでなく、世界資源のより公平な分配とグローバル・コモンズの管理を促進する真に民主的なグローバル・ガバナンス機関の設立を監督することもできるのです。

フォト・クレジット: Bilal Kamoon、フリッカー・クリエィティブ・コモンズ 

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