分かち合いのグローバルムーブメント

世界の政治的基盤を考慮するなら、グローバル経済の大規模な再構築および人道援助のための緊急プログラムを呼びかける提案を夢想的だと考えることは一般的かもしれません。

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現在の優勢的傾向は、依然として国家とマーケットパワーの中央集権であり、真のパワーの移行は一般人とコミュニティから大部分が非民主的な世界機関および多国籍企業へと向いています。政府は長期にわたって万人の健康と幸福や生物園の持続可能性を先送りし、短期的な政治権益や商業利益を優先してきました。自由主義的イデオロギーの影響下にある公共政策は、断続する成功のために生産と消費の持続不可能なレベルに構造上依存する世界経済をつくってきました。

気候変動、国際貿易、持続可能な開発など相互連鎖する問題についての、何十年間もの失敗を繰り返してきたグローバル会議は、今日また、国家間の協力と善意の完全な欠落を痛切に実証しました。これらの高レベル会議やサミットの失敗の主な理由は広く認識されています: 政策立案は長い間、いかなる犠牲を払っても既得権益を維持する力をもつ権力的企業と事業ロビー団体に捉えられています。「業務平常通り」がこのロビーの国歌であり、国連での交渉を含む政府の政策決定への彼らの影響力は現在頂点に達しています。

人類がこれまで以上に社会的、経済的、環境的転換点に近づくと同時に、私たちが望む未来を創造するためにはもはや政府だけに頼ることができないのは明らかです。より良い世界のための希望は、国境を越えて広がる改革のための呼びかけへの世界の人々の参加にかかっています。2011年以降、世界中でのピープル・パワーの動員で証明されてきたように、結束した認識のある公衆の意見だけが、進歩的変革を妨げる個人の権益を打ち破ることができるのです。

行動することの責任は、通常のキャンペーナーやNGOだけにでなく、直接的に一般の人々の肩にもかかっています。何百万というより多くの人々が、何が危機にさらされているのかを認識し、変革の支持者として先導することが必要不可欠です。地球と未来世代の健康と幸福は、グローバル意識のこの転換に大きくかかっているのです。

結束した人々の声

すでにおよそすべての国で大衆蜂起が分かち合い、自由、正義のために街頭でデモンストレーションを行なっており、所得と富の非常に大きな不平等さの原因となってきた経済システムへの強い嫌悪感により繋がれています。ウォールストリートからゲジ公園、プエルタ・デル・ソルまで経済的分かち合いへの暗黙の呼びかけが多くの様々な形態で表現されています。これは、緊縮財政の代替を目的とした広範囲におよぶ動員を含みます; 天然資源の分かち合いと保護;公共空間の分かち合いとコモンズの非囲い込み;共益のための政府支出の正しい優先事項などです。

同時に課税、債務問題における正義のための長期的なキャンペーンは、すべて富と政治力を下方へ再分配する必要性を反映しています。これらすべてとその他多くの運動は、結局のところ富、権限、資源の公平な分かち合いと自然界の保護を要求しているのです。決定的時期を目前にもしより公平で持続可能な平和的未来のための希望を求めるなら、あらゆる立場の懸念する市民がこれらの思想と活動を広く支持せねばなりません。

次々に展開する人間と環境的大惨事についての市民社会の拡大する認識にもかかわらず、人類全体として地球再建の必要性を幅広く受け入れることをいまだしていないのです。変革への集団的ヴィジョンを分かち合う一般人の社会運動なくして、私たちが直面する既得権益や進歩への構造的障壁を制覇することは不可能にとどまるかもしれません。

最終的に、グローバル経済の分かち合いは、私たち共通の人間性と慈悲心への純粋な訴えかけによって要約することができます。より公平で平等な世界への集団的要求のみが、共通の機会の場で最富裕国および最貧困国の人々を統一できるのです。すなわち、世界再建の緊急過程は、最貧困層と最も権利を奪われた人々の代弁者となり、極端な剥奪と不必要な貧困関連の死の根絶を最も優先する、結束した人々の声を通して始まらねばなりません。

分かち合いの議論が、国際的基盤で各国での再分配への呼びかけと同じように素早く公衆のイマジネーションを捉えるなら、甚だしい不平等、生態学的危機、世界の紛争を根絶することが最終的に現実的な可能性となるのです。


上記は「グローバル経済の分かち合い入門」からの抜粋です。

フォト・クレジット: ATrumbly, フリッカー・クリエィティブ・コモンズ

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