「飢餓の代わりに栄養失調」:元国連職員、アフリカ緑の革命を避難

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アフリカ緑の革命のための同盟は、過去の失敗した政策を繰り返しており、飢餓との闘いをさらに押しのけるリスクがあると、IATPにティモシー·ワイズ氏は説明しています。


フランシス·ムア·ラッペ氏が「小さな惑星の緑の食卓」という彼女の重要な著書で、飢えは食料の不足によって引き起こされるのではなく、権力の不足によって引き起こされるという認識をもたらせてから50年近く経ちます。飢饉が食糧不足によって引き起こされることはめったにないことを示したエコノミストのアマルティア·セン氏は、20年以上前にノーベル賞を受賞しました。しかし、この2020年には、飢餓と栄養失調の2つの危険性が世界でよく認識されており、アフリカ緑の革命のための同盟(AGRA)のリーダーであるアグネス・カリバタ氏が、貧しく飢餓が深刻な国は食習慣の多様性について考えることができないとオンラインの聴衆に言いました。「それは贅沢なのです」

このコメントは、マレーシアのエコノミスト、ジョモ·クワメ·スンダラム氏から鋭い反応を得ました。彼の最近のポストは、国連食糧農業機関(FAO)における経済社会局事務次長でした。「一般的な根強い誤解は、栄養失調に取り組む前に、まず食物エネルギー不足を克服する必要があるということである」とInterPress Serviceのコラムに書いています。

スンダラム氏の反応を即したのは明確に、AGRAがカロリー生産という名目で作物の多様性を減らす10億ドル規模のイニシアチブであることを示した最近の報告書「偽りの約束:アフリカ緑の革命のための同盟」を読んだことでした。しかし、その生産は飢えを削減していないどころか、13カ国で栄養不良者の数を31%増加させた原因となっています。また、最新の国連の統計によると、2006年にAGRAが始まって以来、カリバタ農業大臣の任期中にAGRAの成功事例としてしばしば引き合いに出されたルワンダでは、栄養不良の人々の数が41%増加しました。

来年計画されている世界食料システム·サミットをカリバタ氏が先導するために指名されましたが、この間違ったアプローチがサミットを支配するという真の危険があります。「2021年の国連食料システム·サミットでは、現在行われている栄養失調との闘いにおいて、誰一人として食料システムに取り残されないようにすることが重要だ」とスンダラム氏は主張します。「これは、ルワンダのように、飢餓を減らすことさえできないかもしれないカロリー生産量の増加の追求において、微量栄養素欠乏や他の健康問題が無視された場合に起こる可能性があります」

AGRAの飢えるポスターチャイルド

AGRAおよび関連する緑の革命の実践を過去の失敗した政策と呼んできたのは、それらがインドおよびその他の国での最初の緑の革命の非常に波乱に富んだ実績に無関心でいるためです。そして、スンダラム氏が指摘するように、より多くのカロリーを生産することで飢えが軽減されるという考えは、長い間疑われてきた概念です。国連や他の国際開発の専門家たちは、バランスの取れていない食事から生じる栄養不足の「隠れた飢え」を長い間認識してきました。

食品研究者のマリオン·ネスル氏が指摘しているように、栄養に関しては、カロリーとタンパク質だけでなく、「重要なポイントは食料の多様性」です。

そのため、国際持続可能な開発研究所とCERES 2030プロジェクトが主催する7月21日のウェビナーでカリバタ氏が、母国が明らかに反証しているという議論に戻ったことは、驚きでした。彼女のコメントは、農民組織ネットワークのリーダーであるエステラ·ペヌニア氏が農村地域の食糧安全保障にCOVID-19がもたらす危険性について雄弁に語った後に出されました。ペヌニア氏は、サプライチェーンの破壊と労働機会の減少に直面して土壌を肥やしコミュニティを養うために、小規模農家が多様な作物を栽培するのを支援するよう政府に求めました。

キュー·カリバタ氏は、2008年から2014年までルワンダの農業大臣を務め、その後、ゲイツ財団が資金提供するAGRAの責任者に任命されました。「ルワンダで飢餓から食料安全保障へと国を動かそうとして取り組みを始めたとき、私たちは1日あたり1,700カロリーを摂取しているとわかった」が、FAO1人あたりの最小推奨カロリーである2,100カロリーをはるかに下回っていたことを彼女は指摘しました。「その瞬間関心のあることは、人々が十分なカロリーを摂っていることです。すべての関心は、人々の食卓に食べ物がのっているかということだけです。一度その時点に辿り着いたならルワンダは1人あたり2,700カロリーになりました一度その時点に辿り着いたなら、『肉が必要なのか?牛乳が必要なのか?』などの諸々を心配する余裕ができます」

ちょうどその2週間前、私たちの報告書はカリバタ氏がいかに間違っているかを文書化していました。彼女の指導のもと、ルワンダは、報酬と罰を組み合わせることによって、トウモロコシの生産を4倍にし(これには、トウモロコシの種子と肥料に対する助成金が支払われた)、伝統的なモロコシとサツマイモの栽培を続けた農家には罰金を課しました。作物の多様性は、トウモロコシを生産するためのインセンティブとともに減少しました。トウモロコシはすべて、ルワンダの1人あたりのカロリー生産をFAOの最小値を超えて引き上げた可能性がありますが、飢えは確かに解決されませんでした。これは、常に、依然として流通と消費の問題です。7月13日に公表された新しい FAOデータによると、栄養不良のルワンダ人の数は2006年以降41%増加しています。極度の貧困状態にあるルワンダ人の割合は、63%から60%へとほとんど減少していません。

AGRAはルワンダの成功を賞賛しています。私たちはルワンダを「AGRAの飢えるポスターチャイルド」と呼びました。

しかし、ルワンダは、ほんの少しを達成するために多くを費やしてきたプログラムの欠点を明示しているかもしれません。焦点を当てている13カ国にAGRAは、緑の革命の種子と肥料に対するアフリカ政府の助成金として毎年最大10億ドルを補って10億ドルを費やしています。それでも12年後、AGRAは最も生産性の高い作物である定番のトウモロコシでさえ、生産性の低迷を示しています。キビの生産は、収穫量の低下とともに24%減少しました。主要作物の場合、収穫量は12年間で18%増加したに過ぎず、2020年までにAGRAが約束した生産性の倍増には程遠い一方、AGRA諸国での栄養不足の人々の数は31%増加しました。

全てが間違っている

AGRAの農業開発モデルは、一連の強力な想定に基づいています: 

  • 何百万人もの農家が、利用可能になるなら、現代型インプットを採用する;
  • 現代型インプットは生産性を倍増させる;
  • 生産性はより高い収入を生み出す;
  • より多くの作物生産とより高い収入は飢餓を減らす。

私たちの研究は、これらの想定のいずれも有効ではないことを示しています。

種子や肥料の普及率は低く、アフリカの政府が購入に補助金を提供しています。生産者にはわずかな生産性の向上しか見られず、トウモロコシなどの好まれた作物に限られています。これらの増加は、それほどの収入を生み出しません。農民がトウモロコシの新しい余剰を販売することで収入を倍増できるという考えは、インプットの高コストと地元市場での収穫時の低価格を無視しています。生産性の伸びが弱いということは、農家にとって食料がこれ以上ないということです。場合によっては、AGRAが作物の多様性の低下を促進し、トウモロコシなどのでんぷん質の高い製品を残し、キビやサツマイモなどの従来の食用作物が少なくなるため、栄養が減少します。また、AGRAの合成肥料が供給されるトウモロコシの単一栽培のために毎年土地が耕されている場合、土壌の肥沃度は時間とともに低下します。

さらに悪いことに、農家は借金に悩まされています。タンザニアとケニアの「偽りの約束」報告書のケーススタディ研究者が発見したように、緑の革命のインプットはローンとして提供されました。収穫量が少なかったとき、農家は返済するための現金を持っていませんでした。高価なインプットに依存することは、小規模農家に高いリスクをもたらします。これが、彼らが緑の革命技術パッケージの導入に警戒している理由の1つです。

また一方で、これは驚くべきことではありません。インドのバンダナ·シヴァ氏とデヴィンダー·シャルマ氏が、失敗したアフリカ緑の革命に関する最近のパネルディスカッションで指摘したように、これらは過去の失敗した政策です。50年前の緑の革命以来、インドでは借金を抱えた農民が自己の生命を奪い、地方のさまざまな社会的および環境的破壊を記録してきました。

FAOのエコノミストであるスンダラム氏は、アフリカでは現在、この同じ過ちが繰り返されていると、明確に考えています。「緑の革命プログラムは、食生活の多様性を支える持続可能な作物の多様性を蝕んできた。持続可能な農業は、代わりに、すべての人、特に家族と一緒に世界の多くの飢餓者を構成する5億の小規模農家のために、栄養価が高く、手頃な価格の食事を促進すべきだ」


Original source: Institute for Agriculture & Trade Policy

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