
オスカー・バーグルンド博士はアルジャジーラへの寄稿の中で、若者たちが街頭に出る動機となっている不平等や統治の失敗に対し、真摯に取り組むことこそが必要だと指摘しています。
現在、ヨーロッパをはじめとする各地で抗議活動の波が広がっています。その多くは「Z世代の抗議運動」と呼ばれており、およそ13歳から29歳の若者たちが、自分たちの世代に特に大きな影響を及ぼす問題についてデモを主導しています。
フランスでは数週間前、資金不足が深刻化し環境が悪化している学校をめぐって抗議活動が始まりました。この動きは勢いを増しており、先週末には国内全体で50万人から80万人が参加したと報じられています。
インドでは、ナレンドラ・モディ首相の権威主義的な統治に対する最も強力な抵抗勢力として、「ゴキブリ運動(Cockroach movement)」が登場しました。1億3000万人以上の名前が選挙人名簿から削除されたことに対して怒りが高まる中、先週、この運動の指導者が逮捕されました。
スペインでは、破綻した住宅システムや、立ち退きから世帯を守ることができていない法律をめぐり、怒りが広がっています。87歳のマリカルメン・アバスカルさんが強制的に立ち退かされたことに端を発し、その後、立ち退きから世帯を守るための広く支持されていた法案が議会で否決されました。これを受けてペドロ・サンチェス首相は、解散総選挙の実施を決定しました。マリカルメンさんは、立ち退きから2週間後に亡くなりました。
国ごとに状況は異なるものの、現在の抗議の波の根底には、不平等に対する不満があります。この不平等には、階級に関する側面と、世代に関する側面という二つの側面が存在します。
欧州全域において、2008年の危機以降、不平等が著しく拡大しました。これは、所得格差の拡大や、歯止めなく広がる富の不平等に見て取れます。かつて欧州の誇りであった福祉国家体制が形骸化していることが、人々の生活への悪影響をさらに深刻なものにしています。かつては、質の高い公共サービスをすべての人に提供することで、最低限の生活水準と、誰もが成功のチャンスを得られる実力主義的な社会を保障していました。しかし、長年にわたる緊縮財政は、教育、医療、社会福祉といった分野で、国家が良質なサービスを提供する能力を損なわせてしまいました。国家の役割が徐々に後退する中で、より良いサービスに対価を支払える層と、そうでない層との間で格差が広がり、所得や富の不平等がさらに助長されています。
こうした不平等の拡大は、若者にとってより切実な問題として感じられており、彼らが直面する他の困難と相まって状況をさらに悪化させています。さまざまな領域において、若者たちは統治(ガバナンス)の失敗を目の当たりにしており、その結果、彼らの将来の見通しは、親や祖父母の世代と比べてはるかに暗く、厳しいものとなっています。
教育システムへの資金不足は、直近のPISA(国際学習到達度調査)の結果で明らかになった読解力や数学的スキルの急激な低下に、間違いなく大きく関与しています。この学力低下の一般的な要因として、若者のメンタルヘルスの悪化とそれに伴う不登校が挙げられることが多く、その一因としてソーシャルメディアの存在が指摘されています。
教育成果の低下を招いているもう一つの要因は、AIの急速な普及です。これもまた、ガバナンスの失敗の一形態と言えます。ソーシャルメディアやAIを規制しようとする動きは鈍く、巨大テック企業による強力なロビー活動によって阻まれています。
AI革命は、若者が労働市場で自らの地位を確立しようとする過程にも影響を及ぼしています。雇用に対するAIの影響はまだ初期段階にあるものの、特に初級レベルの仕事が機械に取って代わられる傾向が強まっていることは明白です。
住居もまた、若者が不利な立場に置かれている重要な生活側面の一つです。今日の若者は、過去のどの世代と比べても、所得に占める家賃の割合が非常に高くなっています。これもまた、ガバナンスの失敗に他なりません。
これらすべてに加えて、気候危機という問題があります。これはおそらく、あらゆるガバナンスの失敗の中でも最大のものと言えるでしょう。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の最新報告書は、2020年に生まれた世代が、その親や祖父母の世代と比べて、いかに不安定な状況に置かれることになるかを如実に示しています。
より平等な社会であれば、気候変動がもたらす不安定さに対して、集団的な適応の手段を講じることで、よりうまく対処できるはずです。しかし、現在見られるような格差が拡大する社会では、適応の負担が個人や世帯に押し付けられてしまいます。
言い換えれば、ガバナンスの失敗が重なり、国家の能力が低下したことで、若者にとって極めて危険で爆発的な状況が作り出されているのです。パリ、ニューデリー、ローマ、マドリードの街頭で表明されている怒りは、まさにこうした状況に対するものに他なりません。
予想通り、政府の主な対応は弾圧です。これは、抗議活動を犯罪と見なし、弾圧するという世界的な傾向に沿ったものです。抗議活動を制限する法律、逮捕、あるいは警察による暴力といった形で、弾圧は強まっています。弾圧によって抗議運動が消滅することもあれば、逆に火に油を注ぐ結果となることもあります。フランスやインドの事例はこれまでのところ、まさに後者のケースと言えるでしょう。
今真に求められているのは、若者たちを街頭へと駆り立てている格差やガバナンスの失敗に対し、真撃に取り組むことです。それがなされなければ、政治的危機が引き起こされることは避けられないでしょう。
オスカー・バーグルンド博士は、ブリストル大学の国際公共・社会政策学の上級講師である。抗議活動と弾圧を専門としている。
Original source: Al Jazeera
Image credit: FreCha, wikimedia commons




