アニュアルレポート2024:シェア・ザ・ワールズ・リゾースィズ

STWR

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オブジェクティブ

STWRは、国内および国家間における富、権力、資源のより公平な分かち合いを確実にするために、世界経済の広範な改革を求める市民社会団体です。私たちは、生命を脅かす貧困を防ぎ、貧困関連の死を終わらせることを世界の最優先事項として、国際緊急救援プログラムを提唱しています。

私たちのオブジェクティブは次の通りです:

  • グローバルな経済の分かち合いが貧困と不平等、気候変動と環境劣化、天然資源をめぐる紛争の危機にどのように対処できるかについての知識と情報を促進すること。
  • (世界人権宣言およびそれに続く国連条約と宣言に定められているとおり)人権を促進すること、特にそれが世界のどこであれ貧困の防止と救済に貢献する場合には。
  • 各国政府が世界の富と天然資源を国内および国家間で公平かつ持続的に分かち合うようキャンペーンすること。

一年の総括

2023/24年に世界が直面した危機は、飢餓、貧困、極端な経済格差をなくすために世界資源を分かち合うというSTWRのキャンペーンの重要性を浮き彫りにしました。パンデミック以降、世界の富裕層の資産は2倍以上に増えましたが、2億5千万人以上が深刻なレベルの急性飢餓に苦しんでいます。これは、食料不安が5年連続で悪化しているということです。飢餓危機と差し迫った飢饉は2023年に驚くほど拡大し、飢えに苦しむ人々の数は2008年の前回の世界的食料危機の2倍にまで増加しました。しかし、国連からの緊急アピールは悲惨なほど資金不足のままで、人道支援システムはこれまでで最悪の資金不足に陥っています。

市民社会組織としてのSTWRの主要目標の1つは、豊かさの中で貧困が深刻化するこの緊急事態に一般市民の怒りを結集させることです。私たちのブログ、ウェブサイトの投稿、ソーシャルメディアのプラットフォームで強調されているように、食料不足で子供が亡くなることは避けられないことではありません。人類の半分が基本的な社会保障を受けられず、経済的保護が後退しているにもかかわらず、ユニバーサル・ヘルスケアを含む生活に不可欠な必要最低限のものをすべての人に提供するのに十分な公的資源があります。特に、私たちは、現在過去最高となっているG7諸国の軍事費を、これらの緊急の人道的および社会的優先事項に向け直すよう求める市民運動さまざまな呼びかけを支持しました。

世界人権宣言第25条の実現を求める私たちのキャンペーンは、STWRのアウトリーチと教育活動の中心であり続けています。世界で最も豊かな国でさえ、貧困レベルの急激な上昇を経験しており、5人に1人以上の子供が社会的保護と基本的サービスにアクセスできないまま暮らしています。そのため、私たちは善意の人々に対し、政府が第25条を有効な法律として施行するという単一の包括的な要求のもとに団結するよう呼びかけ続けました。英国では、十分な食料、住居、医療、社会保障をすべての人に保障するという基本的権利に関連する多くのイベントにも参加しました。これには、最も困窮している人々が社会保障によって適切に支援され、すべての人に生活必需品に対する法的権利が与えられるように首相に要請した英国の慈善団体への支援も含まれています (詳細は下記を参照)。

STWRにとってもう一つの大きなキャンペーン課題は、気候変動の影響の悪化と地球の生命維持システムに不可逆的なダメージを与える可能性です。2015年のパリ気候協定の締約国は、今世紀の地球の気温上昇を2℃未満に抑えるという合意された目標の達成には程遠く、ましてや1.5℃という目標制限は問題外です。化石燃料の生産削減の公約に反して、世界中の政府の政策は石油とガスへの依存を強めており、石炭火力発電を「段階的に縮小」したり、再生可能エネルギーを増やしたりする努力はほとんど行われていません。STWRは、気候変動資金の問題が中心となるCOP29に向けて準備を進める中で、グローバル・ノースとサウスの両方でクリーンエネルギーへの「公正で秩序ある、公平な」移行を目指す市民社会の取り組みを粘り強く支援してきました。

記録的なレベルの国家債務と緊縮政策を求める市場の圧力に直面して、低所得国の開発と気候の目標を達成することは不可能であることは明らかです。STWRが年間を通じて報告したように、富裕国と貧困国の間の格差が着実に縮小してきた20年にわたる傾向が今や逆転しています。アフリカ諸国の大半は依然として、医療や教育よりも対外債務の返済に多くのお金を費やしています。同時に、富裕国は依然として、世界の最貧国に対する長年の援助公約を履行する代わりに、外国援助の相当額を国内優先事項に転用しています。STWRは、返済不可能な債務の帳消し、持続可能な開発のための資金の大幅な増額、国際金融機関が課す財政緊縮の条件の終了を求める活動家運動の声を増幅させてきました。私たちはまた、今年、効果的な国連国際租税協力枠組条約に向けた歴史的な第一歩を祝った世界的な租税正義運動家のアドボカシー活動も支援しました。

キャンペーン、活動、イベント

STWRは2023/24年に定期的に講演やプレゼンテーションを行い、第25条を求めるキャンペーンを一般の聴衆に紹介しました。Zoomで行った公開講演には、人権団体、教会グループ、NGOのほか、政治問題に詳しくなくとも関心のある参加者も集まりました。多くの人がキャンペーン活動に参加し、地域社会に認識を広めることに関心を示しました。また、Centre for European Law and Internationallisation(欧州法律国際化センター)およびレスター大学プロボノ協会と共同で、人権デーを祝う特別イベントを開催しました。ニューヨーク大学グローバル公衆衛生学部へのプレゼンテーションでも充実した議論が生まれ、多様なクラスの学生がさらに知り、キャンペーンのメッセージを仲間に広めるきっかけとなりました。

STWRは英国全土の数多くの政治・活動家イベントで存在感を示し、イベントプログラムに参加したり、ブースを通じて新しい支持者にリーチしたりしました。これには、ブライトンで開催された緑の党秋季会議、エジンバラで開催されたスコットランド緑の党春季会議、ロンドンでの社会正義運動のフェスティバル「And Still We Rise(そしてそれでも私たちは立ち上がる)」、そして極度の貧困と人権に関する過去および現在の国連特別報告者が出席した日常の人権に関する主要な会議などが含まれます。

私たちは、第25条を施行し世界の資源を分かち合うという私たちの目標に沿った数多くの他のイベントにも支援を提供しました。主要な国際イベントには、「社会的保護フロアのためのグローバル連合」が調整する世界的な「すべての人のための社会保障」キャンペーン、ワシントンDCでの「Mass Poor People’s Assembly and Moral March on Washington DC(貧者の大衆集会と道徳的行進)」、そして2023年10月の世界銀行とIMFの年次総会中に開催された「End Austerity Campaign for People and Planet(人々と地球のための緊縮財政終了キャンペーン)」などがあります。英国では、この基本的権利が法律に制定されるよう闘っている国会議員や活動家たちと共に、「食料への権利ウイーク2023」を支援しました。また、私たちは、国連COP28交渉に先立ち、多くの気候正義運動を支援しました。たとえば、グローバル・サウスの国々に緊急の資金と賠償を提供するよう政治指導者に圧力をかけるために集まった「Now We Rise(今、私たちは立ち上がる)」抗議運動などです。

私たちは、ロンドンでのバス広告キャンペーンの資金に、地元のキャンペーン活動を通じて約11,000ポンドを募ることができました。2024年5月から6月にかけて、STWRによる本格的な広告を掲示した3台のバスが、ロンドン北部と中心部の複数の路線を走り、飢餓と貧困を終わらせるために経済的分かち合いを求める声を上げることについて、人々の想像力を刺激するメッセージを運びました。現在断続する資金調達活動は、より頻繁で持続的な宣伝キャンペーンに向けられており、これにより、私たちは第25条を一般の人々の意識に浸透させる新しい革新的な方法を見つけることができるでしょう。

リサーチ、執筆、出版物

私たちの本「分かち合いの経済:ハートの時代の幕開け」の改訂版は、Troubadour booksの最初の印刷部数の完売後、2023年に出版されました。「分かち合いの原理についての考察」シリーズからの他の本の改訂版も、Troubadourから出版されました。STWRのコーワーカーは、著者の格言を引用したカラフルなポストカードを配布するなど、イベントや草の根広告を通じて本を宣伝するために継続的に取り組んでいます。

私たちの次の世界統治に関する本は、内容のさらなる拡大のために出版が遅れましたが、これは最終草稿段階であり、出版と同時に、発売イベントの開催を含む、マーケティングキャンペーンを展開する予定です。この新しい出版本は、STWRが世界資源を分かち合うことのより霊的な側面について議論するためのプラットフォームとなり、新しい、より幅広い領域から読者を引き付ける可能性があります。また、「不朽の知恵」の教えの観点から見た大衆デモに関する重要な本も制作中ですが、秋には草稿が完成する予定です。

2023/24年には、STWRの記事や本のさらなる翻訳も出版され、その中には「全人類のためのユニバーサル・ベーシックインカムに向けて」のスロベニア語訳も含まれています。日本語のミラーサイト(sharing.org/ja)は、STWRの主要な出版物や定期的なゲストコンテンツをすべて掲載するために頻繁に更新され、日本語のウェブサイト訪問者数が大幅に増加しました。

2024年のプランと優先事項

STWR のメンバーは、今後1年間の活動については、次の中核となる目標を策定しました:  

  • STWRの多くの書籍や出版物に記載されているように、国境を越えた第25条を求める歴史的な大衆運動という、私たちのシンプルで変革的なビジョンを詳説するために、STWRウエブサイトの教育リソースを更新すること。キャンペーンの可能性は非常に大きく、私たちのビジョンを大幅に高め、経済的分かち合いの理念を推進することは、コーワーカーの懸命な努力にかかっています。私たちは、世界中の一般の人々が、世界人権宣言第25条をすべての個人と家族に保証するよう政府に求めるという、平和で合法的な単一の要求のもとに団結するよう促すことを目指しています。組織としての私たちの使命は、気候変動と悪化する環境危機という21世紀の現実を反映して更新された、ブラント委員会の勧告に沿った国際緊急プログラムを推進することです。
  • 私たちのウエブサイトとソーシャル メディア・チャネルを通して、主流メディアで十分に報道されていない、悪化する世界的な飢餓緊急事態に対する一般の認識を高めること。深刻な食料不安に陥っている人々の数はわずか2年で倍増しましたが、気候変動、激化する紛争、現代史上最大の世界的な食料危機により、さらに増加する見込みです。
  • 主に英国で、また西ヨーロッパでも、可能であれば米国でも、第25条のキャンペーンに関連するすべての主要な集会やイベントに参加すること。私たちは、STWRの活動とキャンペーンについての認識を高めるために、ブースを出展したり、講演やプレゼンテーションを行ったり、この分野の他の専門家とネットワークを築いたりすることができます。
  • 英国全土および世界中の他の国々、特に米国で、キャンペーン活動家のボランティアネットワークを拡大すること。ボランティアは、第25条キャンペーンに関する独自のプレゼンテーションを主催したり、資金を集めたり、さまざまな草の根活動に参加したりできます。
  • 私たちのキャンペーンの宣伝と促進に協力してもらえるよう、一般市民や助成金交付団体から資金を募ること。
  • 英国全土、場合によっては海外でも、バス、電車、その他の媒体を介して第25条キャンペーンを拡げるための看板広告のための募金活動を進めること。
  • 既存のウェブサイトプラットフォームのリニューアルが必要なため、2024/25年にウェブサイトのリフレッシュを完了すること。これは、キャンペーンの焦点と優先事項をよりよく反映するようにコンテンツを再編成して更新する機会となります。 
  • 命を脅かす貧困と気候関連災害という人道的緊急事態に資金を提供するための10の主要政策を概説したレポート「グローバルな分かち合いの経済に融資する」に記載された統計を更新すること。
  • 政治と霊性の両方のテーマを融合した世界統治に関する新しい本を出版し、広報活動を行うこと。この出版物に続いて、第25条を求める平和的な大衆抗議の霊的意義についてより深い洞察をもたらす別の重要な本が出版される予定です。2025年春には、人々が私たちのキャンペーンへの参加を鼓舞するために、STWRの創設者であるモハメッド・ソフィアン・メスバヒによるインスピレーショナルな引用を集めた本も出版する予定です。
  • 「分かち合いの原理についての考察」というテーマで過去の出版物、特に私たちの主力キャンペーン本「第25条を布告する:人々の世界変革のための戦略」のための広報活動を引き続き宣伝すること。

STWRのリサーチおよびアドボカシー活動の断続



私たちの取り組みは、あなたの断続する支援なくしてあり得ません。STWRは完全に個人からの寄付だけで成り立っており、政府や他の機関からの資金は一切受けていません。そしてどのような政党や企業の事業とも関連を持ちません。STWRはチャリティとして登録されていないため、すべての資金は制約を受けることなく、私たちが取り組む世界問題について明確な政治的立場を取り、限りある収入を直接リサーチおよびアドボカシーに当てることができます。現在の多くの革新的オーガナイゼーションの例に漏れず、私たちの小チームとボランティアは、倍増する予算のプレッシャーに直面しています。あなたの寄付は、STWRウエブサイトを維持し、リサーチ、執筆、伝達を断続すると同時に、グローバル危機の解決策としての分かち合いの原理に対するグローバル正義運動の中での支持を生み出すのに役立ちます。以下のリンクから寄付をご検討ください: https://sharing.org/ja/watasitachi-ni-tuite/kifu-suru

 

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