アニュアルレポート2026:シェア・ザ・ワールズ・リゾースィズ

17th 7月 2026

富裕国政府が国際的な経済的分かち合いへの歴史的な公約を大幅に後退させた2025年において、STWRのキャンペーンやアドボカシー活動は極めて重要なものとなりました。

コンテンツ

一年の総括

STWRのキャンペーンとアドボカシー活動は、富裕国政府が国際的な経済的分かち合いに向けた歴史的な公約を大幅に後退させた2025年において、極めて重要なものでした。深刻な食料不安が6年連続で拡大する中、国連は主要な拠出国からの資金提供が急減するという事態に直面しました。人道支援システムは限界に達し、世界各地での人命救助活動が危機にさらされました。紛争の激化、経済的ショック、気候災害による飢饉を回避するために本格的な緊急対応が急務とされていたまさにその時に、多くの富裕国が突然援助予算を削減し、世界的な開発支援の取り組みから手を引いてしまったのです。

多国間システムにおけるこの危機は、年間を通じて私たちのウェブサイトや啓発活動の主要なテーマとなりました。米国政府が世界保健機関(WHO)からの脱退と米国国際開発庁(USAID)の閉鎖を決定した際、STWRは、それが世界の貧困撲滅の闘いにもたらす壊滅的な影響について一貫して警鐘を鳴らしました。また、9月には国連創設80周年を祝福し、慢性的な資金不足や大国に国際法を遵守させる能力の欠如といった課題を抱えつつも、平和と人権のために国連が果たす計り知れない重要性を改めて強調しました。

STWRはまた、逆行する動きが強まり、超富裕層の資産が記録的な水準に達する中で、グローバルな経済的分かち合いに向けた数多くの提案を推進し続けました。世界の人口のわずか0.001%が全人類の半数が持つ資産の3倍もの富を支配しているという現状を踏まえ、私たちは、政府の政策決定に影響を与えるための「不平等に関する国際パネル」の設置を求める専門家たちの呼びかけを支持しました。さらに、低所得国の資金不足を解消するための「グローバル基金」を含め、世界中で基本的な社会保障制度を確立しようとする国連の粘り強い提言活動も支持ししました。

国連機関は、2030年までに飢餓を撲滅するために必要な費用は世界の年間軍事費の1%未満であることを示し、世界の資源を分かち合うべき根本的な理由を改めて証明しました。こうした背景から、STWRは、軍事費から持続可能な開発の優先課題へと資源を転換することを提唱する画期的な国連報告書『The Security We Need(私たちに必要な安全保障)』を掲載しました。「軍事費に対する世界行動デー(GDAMS)」などで強調されたように、軍拡競争を終わらせ、人権と気候正義に基づく真の安全保障に投資するよう政府に求める市民社会の要求にも、私たちは賛同しました。

STWRが自らのネットワークを通じて支援・拡散したその他の社会運動には、米国における過酷な「反分かち合い(anti-sharing)」政策に対抗する動きも含まれます。その一例が「One Big Beautiful Bill Act(大きく素晴らしい法案)」であり、これは富裕層への減税の財源を捻出するために、公的医療や食料支援を削減しようとするものです。また私たちは、不当な債務問題への対処を求める貧困撲滅運動にも加わり、国連による「国家政務解決メカニズム」の構築という長年の要求を推進しました。さらに、ブラジルで開催された国連気候変動会議(COP30)の際には、地球資源の公正かつ公平な分かち合いに基づく、クリーンエネルギーへの迅速な移行という希望をつなぐべく、多くの活動家団体と共に声を上げました。

キャンペーン、活動、イベント

STWRは2025年を通じて数多くのイベントに参加し、私たちのキャンペーンの重点課題やビジョンを広く伝える機会を得ました。その一つがロンドンのユーストンで開催された全国集会「We Rise 2025」です。ここではブースを出展し、活動家たちと活発な対話を行い、私たちの出版物を多数販売しました。マンチェスターで開催された年次フェスティバル「World Transformed (TWT)」でもブースを構え、英国の進歩的な政治に関する数々のサイドイベントに参加しました。また、ガザでのジェノサイドに抗議するロンドンでの活動にも定期的に参加しました。例えば6月には、数千人の抗議者が英国議会を包囲し、イスラエルへの武器禁輸と制裁を求めるデモを行いましたが、私たちもこれに加わりました。夏の間には、エジプトで開催された歴史的な「ガザへのグローバルマーチ(Global March to Gaza)」も支持しました。この行事には50カ国以上から国際的な連合体が結集しました。労働組合、人権団体、医療関係者などが参加し、イスラエルによる違法な封鎖を打破し、包囲されたガザ地区への人道支援物資の即時搬入を実現することを目指しました。

一般市民を対象とした定期的な講演やプレゼンテーションも年間を通じて継続的に行いました。その中で、世界各地における極度の貧困の現状や、法の支配による人権保護の必要性について説明しました。これらのオンライン・プレゼンテーションには、さまざまな人権団体、教会グループ、NGOの関係者に加え、政治問題にこれまで関心のなかった一般の方々も参加しました。多くの参加者が、私たちのキャンペーンへの協力や、それぞれの地域社会への啓発活動に関心を示してくれました。

私たちは、「世界人権宣言第25条」の実現と世界の資源の分かち合いという理念に合致する、数多くのイベントも支持しました。主な国際的イベントとしては、英国で衰退する公共サービスへの資金投入に焦点を当てた「人々の総会(People’s Assembly)」と協力した「No more austerity(緊縮財政反対)」デモ・集会や、各国の市民社会連合が呼びかけた気候正義を求める「グローバル・アクション・ウィーク」の一環としての「Make Them Pay(汚染者負担)」デモなどが挙げられます。また、「軍事費に対するグローバル・アクション・デー」にも参加し、軍事化への資金供給を停止し、急増する人道支援ニーズのために世界の資源の分かち合いへの呼びかけを支援しました。さらに、ドーハで開催された「世界社会開発サミット(World Social Summit)」や、「This World is Ours!」が主催した「債務帳消しと公正な移行(ジャスト・トランジション)のための資金確保を求めるグローバル・アクション・ウィーク」、また、ブラジルのベレンで開催された国連気候変動会議(COP30)に関連する一連のイベントなどといった場でも、オンライン・イベントへの参加やキャンペーンの周知拡大に取り組みました。これには、「Global day of action(国際行動デー)」や、富裕な汚染排出者に責任を求め、グローバル・サウスへの気候資金の提供を要求する世界的な「Draw the line(ここで止める)」運動などが含まれます。

リサーチ、執筆、出版物

2025年、STWRのスタッフにとって重要な取り組みの一つは、オンラインショップを通じた書籍、報告書、その他の印刷物の管理・販売でした。私たちはオンライン活動やアウトリーチ活動を通じてこれらの書籍の普及に努めると同時に、STWRの活動への参加や、世界的な「経済的分かち合い」の拡大する運動への参画を人々に促すようなキャンペーン用資料の周知も行いました。

現在、4冊の新しい書籍の出版準備が進められています。その第一弾となるのは、世界統治と分かち合いの原理を扱った大著で、2026年の発行に向けて準備中です。続いて、STWRの創設者であるモハメド・ソフィアン・メスバヒによる、霊的・政治的なテーマを扱った名言集が出版される予定です。さらに、「不朽の知恵」の教えの視点から大規模な市民デモを考察する重要な書籍についても、追って草稿作成に入る準備が整っています。

STWRはまた、第25条やグローバルな経済的分かち合いの実現に向けたキャンペーンの重点事項を反映する私たちのウェブサイト上で定期的にニュースレターやブログを公開しました。その内容には、「分かち合いの謙虚な提唱者」であった教皇フランシスコの逝去に際しての追悼記事や、富裕国による国際開発からの撤退に対する緊急の考察(オルタナティブ・メディアで広く転載された)、そしてCOP30気候変動会議を見据えた、迅速かつ公平で公正な移行への真の道筋に関する資料集などが含まれます。

日本語版ウェブサイト(sharing.org/ja)は引き続き英語版サイトの内容を反映して運営され、ニュースコンテンツの多くが日本語に翻訳されて、日本のソーシャルメディアでも発信されました。また、書籍『気候危機における政治と霊性の交差点』や、STWRの代表的な著作である『分かち合いの原理についての考察』のすべての作品について、スロベニア語への翻訳が完了しました。近刊予定の書籍についても、ドイツ語への翻訳作業が大部分完了しています。

私たちは、グローバルな「経済的分かち合い」のキャンペーンに関連するゲスト寄稿や、「第25条」を実現するという理念を強調するイベントやニュースなどを、引き続きウェブサイトで公開しました。XやFacebookといったソーシャルメディアも、より多くの人々に情報を届け、キャンペーンへの支持を広げるための重要な手段として活用し続けています。

9月には、ウェブサイトのプラットフォームをDrupalからWordPressへ移行し、sharing.orgのサイトリニューアルを完了しました。これは、キャンペーンの重点や優先事項をより適切に反映させるために、コンテンツを再構成し、更新する機会となりました。

2026年度のプランおよびプロジェクト

STWRのメンバーは、今後1年間の活動における以下の主要な目標と目的について合意しました。2025年のプランおよびプロジェクトを基盤とし、私たちは以下の取り組みを目指します:

  • 「第25条」のためのキャンペーンに関連する主要な集会やイベント(主に英国、西欧、そして可能な場合には米国)に参加する。ブースの出展、講演やプレゼンテーションの実施、同分野の専門家とのネットワーク構築を行い、STWRの活動やキャンペーンへの認知度を高める。
  • 英国および世界各国(特に米国)において、キャンペーンを担うボランティア・ネットワークを拡大する。ボランティアは、第25条キャンペーンに関する独自のプレゼンテーションの開催や資金調達、その他幅広い草の根活動を行うことができる。
  • STWRの書籍や出版物で示されている「国境を越えた第25条のための歴史的な大衆運動」という、シンプルかつ変革をもたらすビジョンをより的確に伝えるため、ウェブサイト上の教育用リソースを更新する。世界中の一般の人々が、「すべての個人と家族に対して世界人権宣言第25条を保障するよう政府に求める」という、平和的かつ合法的な一つの要求の下で団結するよう促すことを目指す。
  • ウェブサイトの「もっと詳しく知る」の項目のコンテンツを拡充する。ここでは、世界の資源を分かち合うことについての「何(What)」「なぜ(Why)」「どのようにして(How)」を分かりやすく解説するほか、よくある質問やキャンペーンへの参加方法に関する情報も提供する。
  • ウェブサイトやソーシャルメディアを活用し、主要メディアでは十分に報道されていない、悪化する世界的な飢餓の緊急事態について、一般の人々の認識を高める。
  • 世界統治と分かち合いの原理に関する新刊を出版・普及させる。この主要な出版物に続き、STWRにとって重要なもう一冊の書籍を刊行する予定である。この本では、第25条を求める平和的な大衆抗議活動が持つ霊的な意義について、より深い洞察を提供する。また、STWRの創設者であるモハメド・ソフィアン・メスバヒによる、政治的・霊的なテーマに関する洞察に満ちた名言を集めた書籍も出版する。
  • 「分かち合いの原理についての考察」というテーマの下、過去の出版物、特にキャンペーンの中心的書籍である『Heralding Article 25: A people’s strategy for world transformation(第25条を布告する:人々の世界変革のための戦略)』の普及を継続する。
  • 私たちのキャンペーンの宣伝・普及を支援してもらうため、一般の方々や助成金提供団体から資金を募る。

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